我々が離れても成長を持続できる世界初のビジネス

従来のコンサルティング業とは違うものですか。

森岡:明確に違います。従来の一般的なコンサルティング業は、ある企業に対して「今、必要な製品やサービスはこれです」と具体的に示します。例えて言えば、「おいしい魚が欲しい」という会社に、アジやマグロを提供するようなものです。しかし我々は、困っている企業が魚を自力で捕れるように、釣り竿を渡してその使い方を教えます。ノウハウそのものを売りたいわけです。おそらく世界初のビジネスでしょう。

 優秀なコンサルタントやマーケターがいる間はうまくいくけど、離れたら業績が悪化した、では意味がありません。我々が関与しなくなっても、企業が成長し続けることが重要です。“持続可能”とは、そういう意味です。

クライアントとなる企業とは、どのような形で提携するのでしょうか。ビジネスモデルをお聞かせください。

森岡:「刀」の創業理念をそのまま実行させていただくには、ある一定の期間、我々のチームが先方の企業に常駐しなければなりません。ただの相談相手ではなく、我々も経営に参画します。当然、企業側にもそれだけの覚悟を持っていただきます。

 USJをターンアラウンド(企業再生)させるのに3年かかりましたから、再生の見通しがつくには、同程度の時間は必要でしょう。チームを構成するのは、その企業の事情に合ったスペシャリストたちです。我が社には、需要予測のプロフェッショナル、金融のエキスパートなど、得意分野の異なるメンバーが集まっています。私自身がそのチームの一員になることもあれば、別の者が現場のリーダーになることもあります。いずれの場合でも、最終的な責任は私がとります。状況によっては他の形式での提携もあり得ますが、以上が我々のビジネスの基本形です。

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