リアルの競輪場に足を向かわせる

 もっともJKAは、ミッドナイト競輪の拡大による売り上げ増をゴールとしているわけではない。「ミッドナイト競輪は新しいファンを呼び込むためのツール。それをきっかけに競輪場に足を向けてもらえるようにしなくてはなりません」(武藤事務局長)。

 実際、ミッドナイト競輪の効果で売り上げは増加に転じたものの、リアルの競輪場の来場者数は減少に歯止めがかかっていない。ミッドナイト競輪で初めて競輪に触れたファンを定着させるためには、実際のレースを生で見てもらう必要があると考えているわけだ。

 またミッドナイト競輪は新規のライトなファンが多いためか、一人当たりの車券購入額、すなわち“客単価”はリアルの競輪場で車券を購入するファンに比べて少なく、そのままでは売り上げの大きな伸びは期待しにくい。ミッドナイト競輪の開催日数も2016年度は年間300日を超える予定で、さらに増やす余地も小さいという事情もある。

 JKAが2016年度に掲げたキャッチコピーは「LIVE! LIVE! LIVE! いざ競輪場へ。」。ネットに特化した無観客レースで獲得した新たなファン層を、リアルの競輪場に向かわせて定着させることができるかどうか。ミッドナイト競輪の成否はその点にかかっている。

ミッドナイト競輪では観戦や車券購入が全てインターネット上で行われる
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(文/赤鉛筆=ライター 編集/日経トレンディネット