iPhone Xとの性能差を体感できる用途は限られる
XS、XS Max、XRが搭載するA12 Bionicは、2017年モデル「iPhone X」(以下X)が採用していた「A11 Bionic」と比較して、負荷の高い処理を担当する「性能コア」は最大15%高速化され、日常的なタスクを引き受ける「効率コア」は最大50%低消費電力化が図られているという。またグラフィックス性能は最大50%、機械学習フレームワーク「Core ML」は最大9倍高速化されていると発表されている。
しかし、A12 BionicとA11 Bionicの性能差はあまり体感できないと思う。もともとA11 Bionic自体がほかのスマートフォン用プロセッサーに比べて処理性能が高い。また9月18日に正式リリースされる「iOS 12」ではカメラ起動、キーボード表示、アプリ起動などが高速化されている。A12 Bionicのパフォーマンスの恩恵は、4K動画の書き出しなど非常に重たい処理、グラフィック性能を極限まで引き出すゲーム、機械学習を利用する処理の精度などのほかは実感しにくいはずだ。
iPhone史上最大ディスプレーはメリットが明快
XS Maxは6.5インチというiPhone史上最大のディスプレーを搭載する。そのメリットはわかりやすい。動画鑑賞、ゲームプレー、読書、ブラウジングなど多くの用途で、臨場感、迫力、視認性などの恩恵を受けられる。
一方でXSはXと同様に5.8インチディスプレーを採用した。携帯性や価格を優先するならXSだが、今回は魅力がわかりやすいXS Maxが人気を集めそうだ。
XS、XS Maxの有機ELディスプレーに比べて、XRのIPS液晶の画質を心配する人がいるかもしれないが、どちらも最大輝度625cd/m2を実現しているので見やすさは大きく変わらない。ただしコントラスト比はXRの1400:1に対して、XSとXS Maxは1000000:1と非常に大きく、くっきりとした鮮やかな映像を映し出すDolby VisionとHDR10に対応している。映像コンテンツを鑑賞する機会が多く、「PUBG MOBILE」などのゲームで暗所もしっかりと確認したいという人はXSかXS Maxを選ぶべきだ。
Powered by リゾーム?