高級イヤホン・ヘッドホンで聴き比べると?

 ただし、これはあくまでも3000円台で購入できる付属イヤホンで評価した場合の話。これをもって「iPhone 7の音質は以前と同じ」という判断を下すのは早計だ。

 そこで、筆者が音楽プレーヤーの検証で使っているオーディオテクニカの高級イヤホンATH-CKR10(実売価格約3万円)を使い、じっくり音質を聴き比べてみた。

オーディオテクニカのATH-CKR10(実売価格約3万円)で音質を検証した
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 ATH-CKR10をリファレンスにして、iPhone 7+変換アダプターとiPhone 6の3.5ミリヘッドホンジャックを聴き比べみると……実はこの組み合わせでは最初から聴感上の違和感が現れた。

 宇多田ヒカルの『花束を君に』の歌い出しである「普段から〜」のくだりを聴いた時点で、変換アダプターを付けたiPhone 7では、iPhone 6と比べて声の当たりがキツく出る。シャリという甲高さが耳につくタイプで、情報量が落ちることで声の抑揚や余韻の表現力も弱くなっているようだ。

 曲のサビに入るとバンドの演奏も加わるが、iPhone 7+変換アダプターで聴く音は、バンド演奏もどこか平面的で、歌声も曲のなかで埋もれがち。そんな音質差に気づくとアラも目立ちはじめた。

 有名メーカー「SHURE」のスタジオモニターヘッドホン「SRH440」(実売価格約1万円)を差してみると、高級イヤホンで感じた音質差はより顕著に現れた。iPhone 7+変換アダプターでは、宇多田ヒカルの歌声がやや甲高い高域を伴って聴こえるし、音の立体感も弱く感じる。

SHUREのヘッドフォンSRH440(実売価格約1万円)でも検証した
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 率直に言って、iPhone 7で変換アダプターを使うと、iPhone 6のヘッドホンジャックより音質が悪くなっていると感じた。

内蔵スピーカーは向上

 一方、iPhone 7で音質面で性能が向上しているのが内蔵スピーカーだ。見た目こそ旧機種とほとんど変わっていないが、音楽再生時にも受話時のスピーカーからも音が出るようになり、ステレオスピーカーとなった。

 iPhone 6世代では本体下のスピーカーから音が出ているのがはっきり分かったが、iPhone 7では液晶の中央あたりから音が聴こえるイメージ。音楽を聴く際の違和感がだいぶ軽減された。音質面では最大ボリュームが上がり、ややキツめだが高域も聞き取れるようになったことはサウンド面でプラスだ。

内蔵スピーカーはステレオになり音質が向上した
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 だがiPhone 7がヘッドホンジャックを廃止したことは、音質面で大きなデメリットだ。使い勝手の面でも、変換アダプターを常に持ち歩くのは面倒でもある。

 もし変換アダプターの音質に不満を感じたなら、サードパーティ製のLightning端子接続のイヤホンやDACをつなげば音質を一気に向上できるだろう。10月下旬に発売されるアップル純正の「AirPods」(1万6800円)をはじめ、すでに多数の製品があるBluetoothイヤホンという選択肢もある。オーディオファンはいろいろ検討する余地があるだろう。

(文/折原一也 編集/日経トレンディネット