clingbandはFitbitより割安!
毎日の行動を記録するリストバンド型活動量計「Fitbit」によく似た中国メーカー製の「clingband」を雑貨店で発見した。上海翰臨電子科技(HiCling)という新興メーカーの製品で、定価598元(約1万円)。実際は398元(約6700円)で購入できたので、アマゾンで2万円近くする心拍数が計れるタイプの本家Fitbitと比べると、ほぼ3分の1の価格だ。ちなみにバンドのカラーバリエーションは7種類。
clingbandは、歩数、肌の温度、心拍数、UV指数、睡眠時間などを計測する機能を備えており、各種データは本体側面のボタンおよびタッチパネルのタップやスワイプ操作で確認できる。また、ジョギング/ランニング、サイクリング、ジムでの運動開始時と終了時は、同様にボタンやタッチパネルの操作で「運動モード」を切り替える。
本体はバッテリー内蔵だが充電用端子はなく、充電時はパッケージに同梱されているユニットを本体の裏側に取り付ける。少し面倒だが、相当頻繁にデータを確認するようなことがなければ、バッテリーは2、3日は持つだろう。節電のためか、操作をしていないとすぐにディスプレーがオフになってしまうのだが、腕時計を見るような動作をするとすぐにオンになり、時間が表示される。
充電ケーブルや簡易説明書が入ったパッケージ
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充電時は本体の裏側にユニットを装着する。バンドはラバー製
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歩数計表示。「9.4千歩」「2.8万歩」のように表示される
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データ管理は専用アプリで
各種設定を行う専用アプリは、Android用ないしはiOS用のものをスマートフォンにインストールする。中国製のアプリは中国の携帯電話番号の登録が必須になっているが、国外ユーザー向けにはメールアドレスによる登録にも対応している。
専用アプリをインストールしたら、まず身長、体重と微信(WeChat)アカウントの設定、プロフィール写真の登録などを済ませる。ちなみにパッケージ同梱の説明書には、ほぼ何の説明もないので、何ができるかを知るためには、アプリに付属する説明書データが欠かせない。
専用アプリでは、言語(英語、簡体字、繁体字)の切り替えや、ディスプレーの縦・横表示の切り替え、バイブレーションのオン/オフ、心拍数や体温の更新間隔の変更、微信やショートメールの着信通知設定などが可能だ。
clingbandと専用アプリは、Bluetoothで接続して同期させる。これによりclingbandの活動データをアプリに取り込む一方で、アプリで入手した天気予報やPM2.5情報などをclingbandに転送する仕組みだ。アプリには活動データの表示機能があり、「何時から何時まで走った」「自転車に乗った」「軽く動いた」といった記録を日にちごとに閲覧できる。また、心拍数、体温、睡眠時間、歩数、消費カロリーの5項目から健康な生活かどうかを測定する機能も用意されており、測定結果を専用のSNSで他のユーザーに公開することも可能だ。
ただ筆者が試した限りでは、どうやっても睡眠時間を測ることができなかった。パッケージ同梱の説明書にもアプリの説明書にも、睡眠時の正しい着用の仕方が書かれていない上、アプリにも設定方法の記載がない……。中国のデジモノには「使ってみれば分かる」というスタンスのものが多いが、時折こういうケースに出くわす。とはいえ、それ以外に大きな問題はなく、むしろ中国にいる間は日々積極的に利用したいと思う製品ではある。
その日の活動内容や時間、消費カロリーなどが一目で分かる
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専用SNSで自分の活動記録を公開する機能も搭載
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執筆者/山谷剛史(やまや・たけし)氏
海外専門ITライターとしてライター業を始めるものの、中国ITを知れば知るほど広くそして深いネタが数限りなく埋蔵されていることに気づき、すっかり中国アジア専門のITライターに。連載に「山谷剛史の「アジアIT小話」」、「山谷剛史のマンスリーチャイナネット事件簿」、「中国ビジネス四方山話」など。著書に「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」(星海社新書)「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」(ソフトバンククリエイティブ)など。
[日経トレンディネット 2017年9月11日付の記事を転載]
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