ターゲットは“6つの悪臭”

 「最初は電車の中だけではなく、介護に携わる人もニオイ対策には苦労していると聞いていたので、電車の中の悪臭対策と介護時の2方向で調査を進めていました。しかし、介護はマスクだけでは不足という現状があり、現場でマスクを着けることも現実的ではないという声があったので、多くの人が必要とする電車の中の悪臭対策用に絞りました」(池田課長)

ピップ商品開発事業本部、プロダクトマーケティング部新規開発課の池田和宏課長と角有沙子さん
ピップ商品開発事業本部、プロダクトマーケティング部新規開発課の池田和宏課長と角有沙子さん
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 しかし、全て最初から作り上げるのではなく、従来の機能も使うことから始まったのだそうだ。

 形状は市場で多く出ているプリーツタイプ。さらに鼻のカーブにフィットするノーズフィット仕様、花粉やウイルスをブロックする静電フィルター、一番内側の口元に当たる部分には肌あたりが良く、けば立ちにくい不織布を採用した。

 ただ、それだけでは悪臭のターゲットとなるアンモニア臭や加齢臭のもとのノネナール、靴下のニオイのもとのイソ吉草酸、酢酸、そして排泄臭(インドール、硫化水素)をブロックすることはできない。そこで、従来のマスクが3層構造なのに対し、もう1層増やした。

 「消臭フィルターとして活性炭や光触媒を用いたマスクがありますが、活性炭では消臭容量がいっぱいになるとニオイを吸着しなくなる。光触媒は光が当たらないとニオイを分解しないという欠点があります。この製品に最も合う消臭フィルターを探しました」(池田課長)

 さまざまな素材を調査して新しく加えたのが、セラミックと金属イオンでニオイをブロックする消臭フィルター。「ナノレベルのセラミックスでニオイを吸着して、金属イオンでニオイを分解します。金属イオンの成分は企業秘密です」(池田課長)。

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 消臭フィルターを加えて社内で試験を行ったところ、アンモニアはほぼ100%消臭、ノネナール、酢酸のほか、消臭しにくいとされる排泄臭のもと、硫化水素やイソ吉草酸も消臭できたという。

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