人類よ、網の中に引きこもれ!? 「着る蚊帳 ネッツメン」

 2015年7月の発売と同時に、ネットなどで話題となったのが人型防虫ネット「着る蚊帳 ネッツメン」。オリジナルグッズの企画開発・販売をするビーズ(大阪府東大阪市)がアイデアグッズブランド「ビビラボ(BIBI LAB)」から発売した商品だ。虫除けスプレーをかけて着用する人型の全身ワンピース構造で、約1mm四方の極小編目ネットを体にまとうことが可能。これだけ聞くといかにも受け狙いのジョークグッズのようだが、意外にもまじめな開発目的があった。

 同社がこの製品を開発したのは、2014年夏に社会問題化したデング熱感染のニュースがきっかけだという。「屋外でのレジャーを控えることはできても、洗濯物干しやガーデニング、洗車作業などは避けられない。虫除けスプレーの成分であるディートで起こりうる肌荒れが気になる人も増えてきていることを踏まえ、虫除けスプレーを吹きつけられる服を企画した」(ビーズ広報担当者)という。

 特に工夫したところは、「蚊に刺されないこと」と「着用したまま作業ができる」こと。そのために蚊が好む濃い色を避け、あえて薄いパステルカラーを採用した。さらに網と肌が直接触れないよう、ゆったりと隙間を持たせたサイズにし、手先と足先を分離した際に蚊が侵入しないよう、手首と足首部分にゴムバンドを用いるなど、工夫を重ねたという。

 もうひとつ重視したのが、若者を中心とした“蚊が運ぶ疫病”に関心の低い人々へ情報を届けるPR施策。そのため商品名の「着る蚊帳 ネッツメン」は、覚えやすくキャッチーな響きを重視して決定した。またそれぞれの色に「天女の羽衣」「蒼天夏時雨」「白虎の仮宿」と、ゲームアイテムのような名前をつけた。ウエブサイトでは若者に興味を持ってもらえるように、人間と蚊の仁義なき戦いをゲームに見立てたプロモーション企画を展開している。

「2014年のデング熱騒動を調べたところ、比較的若い10代や20代の若者も感染していた。こうした世代こそ、野外フェスや旅費の安い東南アジアなど感染リスクの高い場所に出かける傾向にある。旅行にネッツメンを持参することは難しいと思うが、この商品が話題になることで蚊の感染症の恐ろしさを意識する若者が増えたり、予防の大切さを知るきっかけになったりしてほしい」(同社)。

「着る蚊帳 ネッツメン」(6600円)。カラーはMサイズ(~165cm)がは「天女の羽衣(ピンク)」1種類、Lサイズ( ~180cm)は「蒼天夏時雨(ブルー)」「 白虎の仮宿(アイボリー)」の2種類。重量は約213g。ワンピース型なのでかがんでも背中が露出しにくく、腰回りが開放されて動きやすい
「着る蚊帳 ネッツメン」(6600円)。カラーはMサイズ(~165cm)がは「天女の羽衣(ピンク)」1種類、Lサイズ( ~180cm)は「蒼天夏時雨(ブルー)」「 白虎の仮宿(アイボリー)」の2種類。重量は約213g。ワンピース型なのでかがんでも背中が露出しにくく、腰回りが開放されて動きやすい
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防虫スプレーをかけて使うことで汗や水で流れてしまうことなく全身を守ることができ、比較的効果が持続するうえ、肌への影響も少ない。また自分で全身にスプレーするよりムラなく簡単にできるという
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手足が出しやすい構造になっていて、靴の脱ぎ履きや細かい手作業がしやすい
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ワンピース型の衣服の難点であるトイレ問題も解決。ファスナーを開くだけで用が足せるので、全部脱ぐ必要がない
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(文/桑原恵美子 編集/日経トレンディネット

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