ソニーはドイツ・ベルリンで開催されている家電見本市「IFA 2016」で、純度約99.7%金メッキ筐体の機種も含めた、ウォークマン「NW-WM1」シリーズを初披露した。
「WM1Z」「WM1A」の2モデルで構成されるフラッグシップモデルで、実売価格は上位機種のWM1Zが3300ユーロ(約38万円相当)、下位機種のWM1Aが1200ユーロ(約14万円相当)。どちらも超ハイエンドモデルだ。
「NW-WM1」シリーズの上位機種「WM1Z」
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近年のハイエンドウォークマンの音質の作りこみは、筐体設計がポイントとなっている。そこでWM1Zでは、カッパー(銅)素材の無酸素銅(純度99.96%以上)のシャーシに、なんと高純度の金メッキ(純度約99.7%)で塗装。これにより接触抵抗を下げて音声信号のロスを抑えることができ、高音質化に寄与している。
筐体内部だけでなく外装にも金メッキ塗装が行われており、つや消しの鈍いゴールドの輝きを放つ、まさに黄金に輝くウォークマンが誕生したことになる。
WM1Zの本体重量は、銅の素材の重さもあり455gと、ポータブルプレーヤーとしては相当な重量級。30万円以上する価格に相応しい、規格外のハイエンド音楽プレーヤーだ。
なお、弟分モデルであるWM1Zはアルミ総削り出しシャーシで、筐体カラーはブラック、重量は267gだ。
筐体内部と外装どちらも金メッキ塗装されている
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アンプを刷新、UIも変更
NW-WM1シリーズの高音質の作りこみを、より詳しく見ていこう。
まずウォークマンの高音質を担うフルデジタルアンプ「S-Master HX」は、新世代に刷新。PCM384kHz/32bit、DSD 11.2Mhzのネイティブ再生へと性能を向上させている。
出力も従来比4倍までアップした60W+60W(16Ω)の出力となり、ハイエンドヘッドホンとの親和性をより高めている。
ヘッドホンとの接続性は、通常の3.5ミリの出力(アンバランス出力)のほかに、バランス出力にも対応。バランス端子にはJEITAで策定された新方式4.4ミリタイプを採用することで、今後スタンダードとなる接続方式をサポートしている。
通常の3.5ミリの出力(アンバランス出力)のほかに、バランス出力にも対応
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なお、WM1Z、WM1Aともに内部には高音質パーツを採用しているが、音響抵抗やアンプからヘッドホンジャックの線材などでWM1Zがより高品質なものを採用し、さらなる高音質化を図っている。
携帯音楽プレーヤーとしてのスペックを見ると、WM1Zが内蔵メモリー256GB、WM1Aが128GBとなっており、いずれもmicroSDスロットによるメモリー増設にも対応する。UIはタッチパネル対応ながら、従来のAndroidベースとは異なる独自ソフトウエアに変更された。
UIは独自ソフトウエアベースに変更
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IFA会場で初披露された、見た目にもインパクトの強い黄金のウォークマンWM1Zだが、30万円超の製品がすでに存在している携帯音楽プレーヤー市場では、こうした超ハイエンドウォークマンの登場はある意味必然だといえよう。
日本が誇るソニーブランドとして、見た目だけでなく音質にもこだわり抜いた高級ウォークマン。本製品の日本での正式発表にも、期待が高まるばかりだ。
(文/折原一也 編集/日経トレンディネット)
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