家庭用プリンター市場で半分近いシェアを分け合うセイコーエプソンとキヤノンの2社が、8月末に年末商戦向けのインクジェット複合機を発表した。両社とも「プリンター本体の価格は手ごろ、交換用インクカートリッジの価格は高め」という主軸の製品は残しつつ、ユーザーが不満に感じる「インク代が高い」という点に応えた低コスト印刷のモデルを強化。古い機種からの買い替えや新規購入を促す。

大容量インクタンク搭載モデルへの移行を進めるエプソン

 大きく戦略転換を図るのがセイコーエプソンだ。これまで主力だった家庭用複合機「カラリオ」のラインアップを縮小する代わりに、大容量インクタンクを搭載する「エコタンク搭載プリンター」を拡充。インク代を気にせずジャンジャン印刷できる利便性を前面に打ち出し、プリンターが自宅にあることの魅力を訴求する。

セイコーエプソンは、インクボトル(中央)からインクをドボドボ注いで補充できる大容量インクタンク搭載モデル「エコタンク搭載プリンター」のラインアップを強化。カラリオからの移行を狙う
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 主力のカラリオと比べて知名度の低いエコタンク搭載プリンターを普及させるために取り組んだのが、本体の小型化と低価格化だ。これまでの製品は、既存のインクカートリッジ式の機種をベースに大容量インクタンクを後付けした構造だったので、インクタンクの分だけ横幅が大きくなっていた。だが、カラー複合機の新機種「EW-M571T」「EW-M670FT」は大容量インクタンクの搭載を前提にハードウエアを新規に設計し、横幅を大幅に縮小。価格も、最廉価のEW-M571Tは実売価格を4万円前後に抑えた。

エコタンク搭載のカラー複合機ではもっとも安いモデルとなる「EW-M571T」。実売価格は4万円前後
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EW-M571Tをベースに、ADF(自動用紙送り装置)やファックス機能、底面給紙カセットなどを追加したSOHO向けの「EW-M670FT」。実売価格は5万5000円前後
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