今の変化を細かく捉えるから「ナウキャスト」

 気象庁予報部予報課開発班の西嶋信主任予報官によると、「ゲリラ豪雨を発生前から予測するのは難しい」という。そもそもゲリラ豪雨に明確な定義はなく、気象庁でもこの言葉は使わない。ゲリラ豪雨と呼ばれているのは、一般に1時間50mmを超える強い雨が数kmの範囲で短時間に降る現象のことで、積乱雲が発達すると起こる。下の図でいうと、空間スケールも時間スケールも狭い集中豪雨の一種だそうだ。この図は時間と空間の関係で様々な気象現象を示しているが、「右上に進むほど、対象となる範囲も時間幅も広いので予報しやすく、逆に左下に近づくほど予報しにくい」(西嶋氏)という。

さまざまな気象現象を空間スケールと時間スケールで示した図。ゲリラ雷雨は空間も時間も狭い集中豪雨の一種になる。図は気象庁のウェブサイトから

 「だから、急な強い雨、いわゆるゲリラ豪雨の予測には“ナウキャスト”を用いているのです」(西嶋氏)。ナウキャストは、現在を表す「now」と予測を表す「forecast」からなる造語。現在の変化を観測、解析し、そこから数分先の動きを予測する――これを短い時間感覚で繰り返し、過去から現在、未来までの“点”を“線”でつなぐことで、雨雲の発達や進路を予測する。「このような予測手法を実況補外と呼びます」(西嶋氏)。