「ライバルはいない」開発者インタビュー
試乗後に、新型ジムニー担当チーフエンジニアの米澤宏之氏にインタビューを行った。
――新型ジムニーで目指したものは?
最も過酷な環境で、仕事に使うプロを満足させるクルマにしなくてはならない。まず、維持するところと進化させるところを決めて開発を進めた。基本性能は、豪雪地域や山間部などでライフラインとしてジムニーを必要とする方たちにも役立つ。
――一般ユーザーの取り込みを意識した部分は?
徹底したジムニーの本物志向は、さまざまな分野で本物を求める人たちにも響くだろうと考えていた。実際、新型車の購入者には、ジムニー以外からの乗り換えの方がいて、顧客の年齢層の広さも感じている。SNSなどでの反響も大きい。
性能面ではオフロード走破性だけでなく、快適性の向上も図った。他の軽自動車が20年前とは大きく異なるように、ジムニーも20年分の進化があり、街中で乗っても違和感のないように仕上げた。
ジムニーに憧れながらも、ハードルの高さを感じていた人を考慮した面もある。ただ、一番はやはり仕事で使う人たちのこと。彼らもまた、オフロード以外も走る。舗装路での性能を磨いたというよりは、基本性能向上による相乗効果であり、特に新開発のラダーフレームの貢献が大きい。
――デザインでは、鮮やかなカラーやジムニーのアイコンを取り入れるなど、個性的でありながら、親しみやすい。新型のデザインで挑戦したところは?
実は、まったく冒険していない(笑)。デザインについても機能重視が基本。運転のしやすさと積載量を両立すると、自然と四角いフォルムになる。これがジムニーの機能美。それをデザイナーたちが現代風に仕上げてくれた。
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