水平垂直を取ること、露出補正で明るさを調整することが大事
お気に入りの1枚として、藍矢さんがスウェーデンで撮影した図書館の写真も披露した。吹き抜けのフロアを撮影した1枚で、手前から奥まで整然と並ぶ柱や机が印象的な仕上がりになっている。藍矢さんは「このようなシーンに限らず、写真が傾いていては不安な印象が増すので好ましくない。水平や垂直をしっかり意識することでうまいと感じさせる写真になる。iPhoneの設定画面でグリッド(9分割の格子線)を表示し、それを参照に水平を取りながら撮るとよい」とアドバイスした。
露出補正で明るさを調整するのも、理想的な写真に近づけるためのポイントだと藍矢さんは語る。iPhoneのカメラは、暗い部分を基準に露出を合わせようとする傾向が強く、木漏れ日など明暗差の大きいシーンは見た目以上に明るく仕上がってしまうことがあるそうだ。
撮影して明るいと感じたら、画面内のピントを合わせたい部分をまずタップし、ピントが合った直後に画面を上下にスワイプして露出を調整すればよい。夜景を撮る際も、露出補正なしだと全体が明るくなりすぎてしまい、照明のある場所は露出オーバーで白く飛んでしまう。露出をマイナスに補正すれば、街灯で照らされた道や月も見た目通りに撮れる。
ちなみに、周りの人にiPhoneでの露出補正の方法を教えると「こんな機能があるの、知らなかった!」と驚かれることが多いという。「普通に撮るよりもワンステップ手間が増えるのは確かだが、一手間加えるだけで仕上がりが明らかに変わる」と藍矢さんは解説する。
「これは面白い」と感じるものを見つける好奇心が大事
藍矢さんは「iPhoneは写真を撮影する道具としての機能や画質が優れているが、それ以上に“いつも持っている”というのが何よりも素晴らしい。iPhoneがあれば“カメラを持ってくればよかった!”と後悔することがないので、とっておきのシーンを撮り逃すこともない」と、デジカメにはない魅力を高く評価した。
最後に、藍矢さんは「本当は撮影のテクニックよりも“これは面白いな!”という被写体を見つける好奇心を持つことが何よりも大事じゃないかと思う。その好奇心を引き出してくれるiPhoneは、僕にとって欠かせない相棒」と述べた。
(文/磯 修=日経トレンディネット)
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