異種格闘技で考えれば、家はここまで面白くなる

 住まいは誰にとっても身近なものだが、それだけに常識をここまで取り払った形で家というものを体験する機会はめったにない。ハウスメーカーのカタログにある決まった形のものだけが家ではない──それをリアルに見て、中へ入って、体験できる展示だ。

 何も考えずに12のエキシビションハウスに出入りし、あちこちのぞいたり、座りこんでみたりして体験するだけでも、子供のころに遊んだ「秘密基地」のような楽しさがある。未来の生活をこれだけ楽しく、身体で考えることのできる機会は貴重かもしれない。家が自由でよいということは、暮らし方も自由でよいということだ。

 さまざまな業種、業界の交差点として、異種格闘技のような混沌こそが、「未来の家」の豊かさなのかもしれない。それは住む方にとっても、一国一城として立てこもるものではなく、身軽に周囲とつながり、広がっていくものでもあるようだ。

中央は凸版印刷と日本デザインセンター原デザイン研究所による「木目の家」。印刷とフィルム、センサーの技術を使った生活提案
中央は凸版印刷と日本デザインセンター原デザイン研究所による「木目の家」。印刷とフィルム、センサーの技術を使った生活提案
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「冷涼珈琲店-煎」はAGFと建築家・長谷川豪氏による、中央通路にもうけられた“長い縁側”。腰掛けてのれんを吹き抜ける風を感じられる。会場には家や住まいに関連するものを中心に幅広い本を集めた「代官山 蔦屋書店」も出店。メーンスペースでは建築家らのトークショーが毎日開催される
「冷涼珈琲店-煎」はAGFと建築家・長谷川豪氏による、中央通路にもうけられた“長い縁側”。腰掛けてのれんを吹き抜ける風を感じられる。会場には家や住まいに関連するものを中心に幅広い本を集めた「代官山 蔦屋書店」も出店。メーンスペースでは建築家らのトークショーが毎日開催される
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(文/井原恵子 編集/日経トレンディネット

HOUSE VISION 2016
「CO–DIVIDUAL コ・ディビジュアル──
 分かれてつながる/離れてあつまる」

2016年8月28日(日)まで 11~21時(最終入場受付 20時30分まで)
URL=http://house-vision.jp/
会場:お台場・青海駅前特設会場
展覧会ディレクター:原 研哉
企画コーディネート:土谷貞雄
会場構成:隈 研吾

エキシビションハウス
[冷蔵庫が外から開く家] ヤマトホールディングス×柴田文江
[吉野杉の家] Airbnb×長谷川 豪
[の家] パナソニック×永山祐子
[棚田オフィス] 無印良品×アトリエ・ワン
[遊動の家] 三越伊勢丹×谷尻 誠・吉田 愛
[賃貸空間タワー] 大東建託×藤本壮介
[凝縮と開放の家] LIXIL×坂 茂
[市松の水辺] 住友林業×西畠清順・隈 研吾(会場構成)
[木目の家] 凸版印刷×日本デザインセンター 原デザイン研究所
[内と外の間/家具と部屋の間] TOTO・YKK AP×五十嵐 淳・藤森泰司
[グランド・サード・リビング] TOYOTA×隈 研吾
[電波の屋根を持つ家] カルチュア・コンビニエンス・クラブ×日本デザインセンター 原デザイン研究所(展示デザイン)・中島信也(映像制作)