「外から冷蔵庫が開く家」から「電波の屋根」まで

 会場に入ってすぐにあるのは、「冷蔵庫が外から開く家」。ヤマトホールディングスと、プロダクトデザイナーの柴田文江氏のコラボレーションだ。一戸建ての家の、外壁と一体化した収納(その一部は冷蔵庫)が外からも内からも開けるようになっており、食品からクリーニングまで、宅配便の受け取りが留守中でもスムーズにできる仕組みだ。業者の対応だけでなく、家に荷物を出し入れする「もうひとつの出入り口」ができることによって、家族の行動も変わる。

ヤマトホールディングスとプロダクトデザイナーの柴田文江氏による「冷蔵庫が外から開く家」のコンセプトは2015年のシンポジウムの中から生まれた
ヤマトホールディングスとプロダクトデザイナーの柴田文江氏による「冷蔵庫が外から開く家」のコンセプトは2015年のシンポジウムの中から生まれた
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 パナソニックが建築家の永山祐子氏と組んだ「の家」は、IoTを徹底活用することで家を「モノ」ではなく「コト」の場に変貌させる提案だ。家自体は徹底して軽く、シンプルな膜のような壁に還元され、その白い壁がすべてスクリーンとスピーカーを兼ねる。この大スクリーンを介してスポーツ観戦や家族や友人との連絡はもちろん、家にいながら専門医の診療を受けられたり、海外にあるショップの服をバーチャルで試着して購入したりできる。

パナソニックと建築家の永山祐子氏による「の家」のキャッチフレーズは「モノで満ちる家から、コトで満ちる家へ」。IoTを通して実現される、身軽で豊かな生活を描いた
パナソニックと建築家の永山祐子氏による「の家」のキャッチフレーズは「モノで満ちる家から、コトで満ちる家へ」。IoTを通して実現される、身軽で豊かな生活を描いた
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 大東建託と建築家の藤本壮介氏による「賃貸空間タワー」は、賃貸住宅の再定義に取り組んだ力作。プライベートと共用を新たに分け直したのがポイントだ。これまでの常識とは逆に、専有空間を最小化して生活の大部分を共用空間に持ち出すことでゆとりを生み出し、住人同士の自然な交流をつくり出すアイデア。ダイニング、キッチン、バスルーム、ライブラリー、テラスなどを共用空間に出し、そこにゆったりとしたぜいたくな生活の場をつくる。小部屋となったプライベートスペースは少しずつずらして配置され、その間を短い通路や階段がつなぐ様子は、南イタリアやギリシャの小さな街を思わせる。

大東建託と建築家の藤本壮介氏による「賃貸空間タワー」は専有空間を極小にして、広い共用空間に豊かな生活を実現する提案。細かい空間がランダムに配置され、さまざまな「場」を作り出す
大東建託と建築家の藤本壮介氏による「賃貸空間タワー」は専有空間を極小にして、広い共用空間に豊かな生活を実現する提案。細かい空間がランダムに配置され、さまざまな「場」を作り出す
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TOTOとYKK APが、建築家の五十嵐淳氏、家具デザイナーの藤森泰司氏とともに作った「内と外の間/家具と部屋の間」。放射状に配置された「窓」の中に、内でも外でもない不思議な空間が生まれる
TOTOとYKK APが、建築家の五十嵐淳氏、家具デザイナーの藤森泰司氏とともに作った「内と外の間/家具と部屋の間」。放射状に配置された「窓」の中に、内でも外でもない不思議な空間が生まれる
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「内と外の間/家具と部屋の間」の外観。「出窓」の中には食事する場、くつろぐ場、眠る場などが備えられ、空間と一体化した家具がしつらえてある
「内と外の間/家具と部屋の間」の外観。「出窓」の中には食事する場、くつろぐ場、眠る場などが備えられ、空間と一体化した家具がしつらえてある
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CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)と日本デザインセンター 原デザイン研究所(展示デザイン)、中島信也(映像制作)による「電波の屋根を持つ家」。遠く離れた家族同士が同時に会話できれば、そのバーチャルな場が家になる、という考え方は家の存在そのものからも自由だ
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)と日本デザインセンター 原デザイン研究所(展示デザイン)、中島信也(映像制作)による「電波の屋根を持つ家」。遠く離れた家族同士が同時に会話できれば、そのバーチャルな場が家になる、という考え方は家の存在そのものからも自由だ
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