3年ぶり2回目の展示会は、12棟に拡大

 HOUSE VISION展は、2013年に続いて2回目となる。しかしHOUSE VISIONのプロジェクト自体はそれに先立つ2011年にスタート。日本と中国で計50回を超える研究会やシンポジウムが開かれ、家というテーマをめぐって議論を重ねている。今回の展示会に参加していない企業を含め、研究会の段階から幅広い業種の企業や行政、研究者も参加している。

 そこにあるのは、「家が産業の交差点である」という視点だ。家は人の生活の拠点であり、情報のハブであり、家族の営みを育てる場であり、社会の課題や産業の活動目的が集約される結節点でもある。そこには生活、社会、産業の未来が凝縮された形で出現している、という考えがその出発点となっている。

 今回の展示テーマは「CO-DIVIDUAL コ・ディビジュアル──分かれてつながる/離れてあつまる」。個へと分断された人々が、新たな人と人のつながりをいかに作り出していくか。個人と家族、生活と仕事、都市と地方、コミュニティーなどの課題を、自由にポジティブに、それでいてリアリティーをもって考えた提案が並ぶ。

 前回は7棟だった展示は12棟に増え、それぞれ企業とクリエイターのコンビネーションで1つのテーマを掘り下げることによって、明快に先鋭化したコンセプトが表現されている。

2013年に続いて2度目の展示会のテーマは「分かれてつながる/離れてあつまる」。幾度もの研究会やシンポジウムで議論されたテーマを下敷きに企画された。その経緯は本にまとめられ、会場でも入手できる
2013年に続いて2度目の展示会のテーマは「分かれてつながる/離れてあつまる」。幾度もの研究会やシンポジウムで議論されたテーマを下敷きに企画された。その経緯は本にまとめられ、会場でも入手できる
[画像のクリックで拡大表示]

次ページ 「桟橋」を渡って、未来の生活に踏み込む