あっという間に髪が乾く&70度でもカールが作れる

 ダメージ補修を前面にブランド展開してきたエッセンシャルが、今回の全面刷新に際して参考にしたのが女性たちの“生の声”だった。従来は髪質に関する悩みをアンケート調査し回答を製品開発に反映してきたが、今回はSNSなどで髪の悩みに関するつぶやきを拾い上げ、「とにかく効率的にラクな手入れできれいになりたい」という本音に行き当たったという。

 「忙しい女性たちは仕事の場面、母として、女性としてなど役割が多重的でいつでも社会とつながっている状態。美容器具や化粧品でもどれだけラクして高い効果が得られるかを追求した商品が支持されている」と、花王ヘアケア事業部ブランドマネージャーの小林恵美氏は今回のブランディングの背景を語った。

 新しいエッセンシャル・シャンプー&コンディショナーは、髪の手入れのストレスに関する調査で上位を占めた、「ドライヤーに時間がかかる」「カールをうまく作れない」「夜乾かしても朝には寝ぐせがつく」「髪がパサつく」という悩みに応じた4タイプで展開する。

 「忙しい女性に向けて、いかに面倒を省き、効率的にきれいな髪にするかを主眼において開発した」と、小林氏は話す。

 「スマートブロードライ」は速乾のシリーズ。ドライヤー時の熱や摩擦から髪を守って早く乾かす。実証動画では、ロングヘアの髪が従来品では7分24秒で乾いたのに対し、5分24秒でサラサラに乾き、ドライヤーの時間が2分短縮された。「夏の暑い時期のドライヤーを疎んで生乾きで妥協している人も多いが、生乾きはダメージのもと」(花王広報部の亀田紀枝氏)という。

モデルを使ったデモンストレーション。右半分を新技術ありの商品で洗髪している。冷風を使用しても、開始約1分で髪がばらつき風になびくほど乾いてきた
モデルを使ったデモンストレーション。右半分を新技術ありの商品で洗髪している。冷風を使用しても、開始約1分で髪がばらつき風になびくほど乾いてきた
[画像のクリックで拡大表示]

 「スマートアレンジ」は熱でスタイリングがしやすくなるシリーズ。通常、髪の毛をカールさせるときは、ヘアアイロンやコテを150~180度の高温に温めて使用することが多いため、髪のダメージにつながる。スマートアレンジで洗髪すると、70度のアイロンでもきれいなカールが簡単に作れるという。

「低温できれいなカールが作れるため、髪のダメージ自体が生まれない」(花王ヘアケア研究所主任研究員の渡邊俊一氏)
「低温できれいなカールが作れるため、髪のダメージ自体が生まれない」(花王ヘアケア研究所主任研究員の渡邊俊一氏)
[画像のクリックで拡大表示]

次ページ 枕にこもった水分がハネの原因