昆虫や植物などの接写を楽しみたいならば唯一無二の存在

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オリンパス

Tough TG-5

実売価格:5万円

 昆虫や植物などの撮影に向く、接写性能に優れた異色の防水デジカメ。レンズの先端から1cmまで被写体に近づけるうえ、その状態で光学ズームが働くので、まるで虫眼鏡で見ているようなマクロ撮影ができる。顕微鏡モードを利用すると、まさに顕微鏡のような異次元の撮影ができるのが楽しい。

高級感のあるデザインが特徴的な「Tough TG-5」。レンズは中央部に搭載しており、うっかり指がかかってしまうことは少ない
高級感のあるデザインが特徴的な「Tough TG-5」。レンズは中央部に搭載しており、うっかり指がかかってしまうことは少ない
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大型のモードダイヤルも搭載しており、操作性は一般的なコンパクトデジカメとほとんど変わらないのがよい
大型のモードダイヤルも搭載しており、操作性は一般的なコンパクトデジカメとほとんど変わらないのがよい
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 基本的に、接写時はピントの合う範囲が狭くなり、昆虫の接写だと頭以外はボケてしまう。その欠点を解消するため、TG-5はピント位置を変えて連写した写真を合成して手前から奥までピントが合った写真を生成する深度合成機能を備えるのが特徴。カメラ単体で合成処理されるので、Wi-Fiでスマホに転送すればすぐさまSNSなどで活用できるのが便利だ。

接写時はピントの合う範囲が狭くなるので、前後が大きくぼけてしまう
接写時はピントの合う範囲が狭くなるので、前後が大きくぼけてしまう
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深度合成機能を利用すると、前後の広い範囲にピントが合うようになった
深度合成機能を利用すると、前後の広い範囲にピントが合うようになった

 接写時はカメラが被写体と接近するため、被写体がカメラの影になって暗くなることが多い。この問題を解決するためのアクセサリーとして、レンズの周囲に取り付けることで被写体を明るく照らしながら撮影できるリングライトを用意しているのが面白い。LEDライトとして使える「LG-1」の実売価格が4500円前後、内蔵フラッシュを円形に発光する「FD-1」が5200円とやや高いのが欠点といえるが、使うのと使わないのでは仕上がりの完成度がまるで変わってくる。

別売の「LEDライトガイド LG-1」(実売価格は4500円前後)を使うと、本体内蔵LEDの光をレンズの周囲に回してリングライトとして使える。マクロ撮影の際に欠かせない
別売の「LEDライトガイド LG-1」(実売価格は4500円前後)を使うと、本体内蔵LEDの光をレンズの周囲に回してリングライトとして使える。マクロ撮影の際に欠かせない
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 15mの防水性能や2.1mの耐衝撃性能、100kgの耐荷重など、タフネス性能も十分だ。4K動画の撮影に対応する。カメラ自体は5万円前後とやや高めながら、昆虫や直物などのネイチャーフォトの撮影を楽しみたい人にとっては見逃せないカメラとなるだろう。

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