防水デジカメ感覚で使えるアクションカム

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GoPro

HERO5 BLACK

実売価格:4万2000円

 アクションカムの定番といえるGoProシリーズの最新&上位モデル。GoProといえば、マリンスポーツやスキー、サイクリングなどのアクティブなアウトドアレジャーを記録したい人向けのニッチなカメラ、という印象を持つ人もいるだろう。確かに、これまでのGo Proシリーズはやや使いづらい面があったが、HERO5は「誰でも扱える小型軽量の防水デジカメ」として幅広く薦められる存在になったと感じた。

手のひらにすっぽり収まるGoProシリーズのサイズ感を継承しつつ、本体のみで防水仕様としたのは評価できる
手のひらにすっぽり収まるGoProシリーズのサイズ感を継承しつつ、本体のみで防水仕様としたのは評価できる
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 まず便利だと感じたのが、背面液晶を標準で搭載したこと。「HERO4」などの従来モデルは背面液晶がなく、撮影時に構図の確認をするにもスマホと連携させる必要があったのがやっかいだった。HERO5では、背面液晶でライブビューの表示や写真の再生が可能になり、使い勝手は普通のデジカメにグッと近づいた。しかも、防水モデルでは珍しくタッチ操作に対応しており、本体の操作ボタンは相変わらず最小限ながら操作性はグンと高まった。

液晶のサイズは小さいが、そこそこ操作しやすい。音声で制御できるボイスコントロール機能も搭載しており、「GoPro、写真!」などと話しかけることで写真を撮影できる
液晶のサイズは小さいが、そこそこ操作しやすい。音声で制御できるボイスコントロール機能も搭載しており、「GoPro、写真!」などと話しかけることで写真を撮影できる
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 もう1つ、HERO5は本体のみで10mの防水性能を備えるようになり、ハウジングを装着することなく裸のままで水中撮影できるようになったのが便利だと感じた。ハウジングは脱着の手間がかかるだけでなく、装着すると音がこもって記録される欠点がある。HERO5はマイクが露出しているので、よりクリアな音声が収録できる。

本体に操作ボタンは2つしかないが、背面に2型のタッチパネル液晶を標準で搭載している
本体に操作ボタンは2つしかないが、背面に2型のタッチパネル液晶を標準で搭載している
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 HERO5のレンズは超広角の単焦点タイプで、光学ズームはない。そのままではワイドすぎて使いづらいが、メニュー画面で画角を段階的に切り替える機能を搭載しており、複数の単焦点レンズを利用しているような感じで撮影できる。望遠側はデジタルズームと同じ処理なので解像度は落ちてしまうが、SNSでの利用ならばクオリティー的に不満はない。

 HERO5の価格は4万円超で、見た目や機能がGoProそっくりの“GoProもどき”のアクションカムが数千円で買えることを考えると高価だ。また、GoProシリーズの哲学とはいえ、汎用性の高い三脚穴をかたくなに搭載しないのは、やはり不便だと感じる。

 とはいえ、手のひらにすっぽり収まるGoProならではの小型軽量ボディーを維持したまま、裸のままで使える防水性能やタッチパネル液晶の搭載で使いやすさを高めたのは評価できる。多彩な固定用アクセサリーを使うことで、一般的な防水デジカメでは不可能な撮影ができることを考えれば、普段使っている一眼レフやミラーレスにプラスすると便利に活躍するはずだ。

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