学会で初めて明らかになった、便秘改善の効果

 もうひとつ、今回の学会で話題となったのが、ニュージーランド、イタリア、日本の3カ国共同の臨床試験で初めて明らかにされた、キウイフルーツの食物繊維による「便秘改善作用」だ。

 キウイフルーツの食物繊維は、他の食品に含まれる食物繊維よりも保水力が高いため、消化管内で水分を多く吸収し、大きく膨張する特徴があるという。さらに、大腸の運動を促進する短鎖脂肪酸も増加させるので、相乗効果で便秘の改善を期待することができるのだそうだ。

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 さらに、大腸の環境を再現した試験管内での研究では、キウイの食物繊維には、ビフィズス菌などの腸内にある善玉菌を増やしながら悪玉菌を抑制し、腸内環境を整える作用があることも発表された。

まだまだある、キウイフルーツのうれしい機能

 そのほかにも、ゴールドを毎日2個ずつ食べ続けることで、血液中のビタミンC濃度が良好な状態に保たれ、壊血病(ビタミンCの不足により、体内の各器官で出血性の障害が生じる)の予防につながるほか、ビタミンCが脳内神経伝達物質に働きかけることにより、マイナス思考がプラスに変わり、精神状態の安定につながる可能性も指摘された。

 また、食後高血糖(食後に血糖値が下がらず、高い値が続く状態)は動脈硬化を悪化させ、脳卒中のリスクを高めるといわれているが、炭水化物とキウイフルーツを一緒に食べることで、食後の血糖値の上昇がゆるやかになり、急激な低下を抑える効果も期待されている。

 ただし、キウイフルーツを食べるときには少し注意が必要だ。「グリーンは食物繊維が豊富なので、食べ過ぎるとおなかがゆるくなったり、腹痛になったりする場合もあります。食べる量には注意して、何か異変があれば、すぐに専門家に相談してください」(西山教授)

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