羽根のない扇風機が旋風を巻き起こすか

 前述したとおりDCモーターを採用することで、よりきめ細かい風量調整ができるようになり、ヘッド部の動きが多彩になったことで、サーキュレーターとして活躍できるモデルも豊富になってきた。そんな扇風機の新たなトレンドとなってきたのが、プロペラのない(または見えない)扇風機だ。

ダイソンの羽根のない扇風機「エアマルチプライアー AM07 タワーファン」(実勢価格4万9460円)。航空機のエンジンにも採用されている技術を応用。気圧の変化により、周辺の空気を巻き込むことで、パワフルな涼風を生み出す
ダイソンの羽根のない扇風機「エアマルチプライアー AM07 タワーファン」(実勢価格4万9460円)。航空機のエンジンにも採用されている技術を応用。気圧の変化により、周辺の空気を巻き込むことで、パワフルな涼風を生み出す
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パナソニックの創風機Q「F-BM25T」(実勢価格4万2980円)。吸気口から吸い込まれた風量を約7倍にする誘引気流構造により、直進的でパワフルな風を送り、空間全体の空気を効率よく拡散・循環させる。さらに、自然に近いゆらぎのある、疲れにくく心地よい風を送ることもできる
パナソニックの創風機Q「F-BM25T」(実勢価格4万2980円)。吸気口から吸い込まれた風量を約7倍にする誘引気流構造により、直進的でパワフルな風を送り、空間全体の空気を効率よく拡散・循環させる。さらに、自然に近いゆらぎのある、疲れにくく心地よい風を送ることもできる
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 モーターと、そのモーターが起こす風を巧みに操ることで、サイクロン式の掃除機を爆発的に普及させたメーカーと言えば、誰もが知るダイソン。そんなダイソンは2009年に羽根のない扇風機「エアマルチプライアー」シリーズを発売。また2015年には、パナソニックが創風機と銘打って「Q(キュー)」シリーズの初代モデルをリリースした。

 いずれも周辺の空気を本体に誘い込み、勢いを増した風を送り出すという構造。パワフルで、直進性の高い気流を発生させる。パワフルな気流を起こすため、間取りの広い部屋でもサーキュレーターとして活躍できる。この夏の時期であれば、足元にたまったエアコンの冷気を取り込み、天井方向に空気を流せば、部屋全体の温度が調整される。

 またプロペラが露出していないため、小さな子どもがいる家庭では人気を集めている。昨今の扇風機であれば、細かい網目で、子どもの細い指でもカバーを通ってしまうことはないだろう。だが、万が一を考える親目線で見ると、プロペラがない、というのは何よりの安心要素となるのだ。

 本体に付着したホコリを拭き取るのも、カバーを外して一枚一枚のプロペラを拭く必要のある一般的な扇風機と比べて、非常に簡単。1年を通して使うことを考えれば、気軽に掃除ができ、清潔に保ちやすい点は大きなメリットといえるだろう。羽根のない扇風機が今後どういう広がりを見せるかで扇風機の高級路線も変化がありそうだ。

(文/河原塚英信 編集/日経トレンディネット