猛暑の季節になった。暑い日本の夏に欠かせないのは扇風機だが、久しぶりに扇風機を買おうという人は、ちょっと待ってほしい。今や扇風機は、単にブンブンと風を送る機械ではなくなり、より心地良い風を起こすアイテムになっている。エアコンが高原に吹くヒンヤリとした風を理想とするならば、最新の扇風機は真夏の木陰で肌をなでる心地良い風を起こせるようになったのだ。

DCモーター搭載で、心地良い風を省電力で実現!

 過去数十年にわたり、扇風機は風さえ送ってくれればいいと考えられていた。目立った革新技術が投入されることもなかった。そうした状況を一変させたのが、2010年に発表されたバルミューダの「Green Fan」。当時はAC(交流)モーター搭載が当たり前だった扇風機に、DCモーター(直流)を採用した先駆け的存在だ。

 ほかが数千円で購入できる扇風機を出しているなか、Green Fanの価格は3万円を超える。それでも、このDCモーター搭載の高級モデルは、扇風機のトレンドを変えるほどのヒット商品に。各メーカーは続々とDCモーター搭載の高級機を開発していくことになる。

扇風機で初めてDCモーターを搭載したとされる「GreenFan」の初代機は2010年4月に発売された。2重構造の羽根を採用し、一般的な扇風機と違い、大きく面で移動する空気の流れを作り出すのが特徴。写真は最新モデル「GreenFan Japan」(実勢価格3万8000円)
扇風機で初めてDCモーターを搭載したとされる「GreenFan」の初代機は2010年4月に発売された。2重構造の羽根を採用し、一般的な扇風機と違い、大きく面で移動する空気の流れを作り出すのが特徴。写真は最新モデル「GreenFan Japan」(実勢価格3万8000円)
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一般的な扇風機が起こす風のイメージ
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GreenFanが起こす風のイメージ
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 そんなDCモーター搭載の扇風機の、共通する大きな特徴は下の4つ。

・きめ細かい風量調整が可能になった
・駆動音が静か
・電気代がACモーター機の約半分
・購入時の価格は2倍以上

 従来のACモーター搭載機では、風量の調整は「強/中/弱」の3段階が一般的。おそらく多くの人が「中」では風が強すぎ、かといって「弱」では弱すぎるなど、なかなかほどよい風にできなかった。それがDCモーター搭載機では、8段階から無段階できめ細かく風量調節でき、そのときの自分にとって「ちょうどいい風」が選べるようになったのだ。

 駆動音が静かになったのも、DCモーターを採用した扇風機の大きなメリット。周囲の音にまぎれてしまう日中は良いとしても、夜ともなるとこれまでのACモーター扇風機では駆動音がブ~ンと鳴り、気になりだすと寝付けない、という人もいるはず。一方のDCモーターは、駆動音が比較的静かで、より快適に眠れるようになった。

 さらにDCモーターの特性として、省電力で動かせる点が挙げられる。だが、DCモーター搭載機の購入価格は、ACモーター搭載機の数倍。一方で、電気代は年間でも数百円の差となる。購入価格をカバーするほどの違いはないことは留意しておきたい。

 つまり、より気持ちの良い風や静かさを求め、なおかつACモーター搭載機よりも数倍する価格を受容できるのなら、DCモーター搭載機の購入をおすすめしたい。

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