家庭用EMS機器市場が再び盛り上がっている。EMS(Electric Muscle Stimulation)機器は電気刺激によって直接筋肉を動かすというもの。十数年前には「家庭用ダイエットマシン」としてブームになり、ウエストのサイズダウンを目的として購入する人が多かった。体に装着するだけで、運動することなくやせられるとうたっているものもあり、「ながらダイエット」とも呼ばれてきた。だが、ここ数年は積極的にトレーニングをする人にも支持されているという。

 今回のブームを牽引しているのが、2015年夏に発売された「SIXPAD(シックスパッド)」だ。特殊なジェルシートを貼り付けた機器を体に密着させて使用するもので、6枚のシートに分かれた腹筋用と、2つのシートでウエストや腕など鍛えたい部位を挟み込むパーツ用の2タイプからスタート。2017年4月にはベルト式の3タイプを追加し、同時に東京・表参道に旗艦店をオープンした。さらに、全国の家電量販店や生活雑貨店などにもショップインショップを約30店舗展開している。

腹筋専用の「シックスパッド アブズフィット 2」」(直販価格2万5800円)。充電式なので電池交換が不要。Bluetoothを搭載しており、スマートフォンのアプリを使って日々のデータを記録できる
腹筋専用の「シックスパッド アブズフィット 2」」(直販価格2万5800円)。充電式なので電池交換が不要。Bluetoothを搭載しており、スマートフォンのアプリを使って日々のデータを記録できる
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 販売台数は開示していないが、「年々売り上げは伸びている。また、自社で行った調査によると商品認知度もどんどん上がってきている」と、製品を手がけるMTGのSIXPAD PJ部広報宣伝グループの川口美幸グループリーダーは話す。

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