民族楽器の出身国のことも学べるパスポート付き
「大量生産、大量消費の対極にある素材として、また経年変化して味わい深くなる素材としての木を使いたいと思い、いろいろ探した結果、楽器にも使われているメープルになった。今、GALAで遊んでいる自分の子が大人になったときに、これを持って海外旅行に行ってほしいと思う」と佐藤氏。
「実際、外で遊ぶと面白い。登山でポケットに入れておくと勝手に鳴り出したりして、子供が喜ぶ。ガムランとか鳴らすと、熊よけになっていたりするかもしれない(笑)」と鵜瀞氏。
GALAは楽器としても面白いが、パッケージングも面白い。製品には「GALA国旅券」という小冊子が入っていて、これがパスポート風になっている。収録されている楽器の説明と、その国の特徴がカラーイラスト付きで掲載されているのだが、その他に写真を貼る身分証明のページがあったり、渡航先を記入するページがあったりと、旅とGALAをつなぐ工夫がなされているのだ。
GALAには、「GALA スタンダード」の他に「GALA セッション」がある。こちらは単に楽器を鳴らすだけでなく、セッションモードが搭載されている。これは、ギロ・マラカス、シタール、三線の3つの楽器について、伴奏付きで演奏が楽しめるモード。
例えば、インドの太鼓であるタブラがループ再生されるうえで、GALAを振ってシタールを鳴らしたり、マンボの名曲に合わせてギロ・マラカスを振ったり、という具合。ちょっとしたゲーム性もあるが、それ以上に「例えば、シタールの演奏にはタブラが付き物なので、そういう部分も楽しんでもらいたかった」(加藤氏)という思いから付いた機能だそうだ。そして、これがまた異様に楽しい。やはり合奏の面白さというのも、民族楽器の重要な要素だ。
(文/納富廉邦)
[ 日経トレンディネット 2018年7月3日付の記事を転載]
Powered by リゾーム?