「人の声」以外の音域をカット
語学学習用の「ちょんまげ君」は一般的なイヤホンと何が違うのか。それは人の声の帯域以外の音が大幅にカットされていることにある。
その仕組みは、先に紹介したChonmage -3号の開発で生まれた、イヤホン内部の前と後ろをつなげた、低音の出ない構造だ。
製品パッケージには音が出やすい帯域は表記されていないが、「100Hzから200Hzあたりの低音域はかなり音がカットされ、人間の声が聞き取りやすい中音域から3kHz〜4kHzまでの高音域が聞こえやすい構造になっている」(TTRの篠塚順正氏)と、声の帯域のみへのマッチを狙っている。
開発にあたっては、設計・開発にあたったTTR社内の英語ネイティブの人の協力を得て、英語で使われる周波数帯域でも聞こえ方に支障がないかどうかの確認もしているとのことだ。
BGMすらカットされてしまう
実際、取材時に英語のリスニング教材を聞いてみると、声のみにフォーカスした効果は驚くほどであった。
通常のイヤホンと比べるまでもなく、人の声のみがくっきりして聞き取りやすく、外音の遮音性にも優れている。一方、学習教材で挿入されるBGMやシーン切り替えの音楽さえもカットされてしまうほどで、まさに「人の声に特化したイヤホン」という効果をすぐに実感できた。
逆に一般的なJ-POPを聞くと、ボーカルはクリアに聞こえるが、バンド演奏、特に低音はほとんど聞こえない。ボーカルが聞こえるので曲は分かるが、音楽としてのバランスは好ましくはない。まさに語学学習に特化しているイヤホンだ。
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