いよいよバックヤードへ

 3階にはアートライブラリーがあり、誰でも使える(入場無料)。14万冊もの資料を所蔵している充実ぶりは使わないと損ではないかと思わせる。通常なら展示を見に行くだけで気がつかないこれらの施設を知ることができるのも、建築ツアーの魅力だろう。ここから講堂へ進み、いよいよバックヤードへと向かう。

アートライブラリー。ここは誰でも利用できるのだ。入り口周りの壁面は当然「光壁」になっている
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左側に研修室、突き当たりが講堂だ
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講堂も展示室同様に壁面が動かせるので、規模に合わせた広さにすることが可能
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 バックヤードは撮影禁止。これまでも一切、写真などを外部に出していないそうだ。そこで見られるのは、作品が搬入されてから展示されるまでの動線がとても効率的に作られているという事実。このあたりは、構造と設計を担当した日本設計の腕だろう。この建物は黒川紀章氏が主に意匠を、構造と設計を主に日本設計が担当しているものなのだ。面白いのは、搬入から展示室へ行くまでの間に審査室が用意されていること。公募展を多く開催する新美術館では作品の搬入から審査、展示と、公募展の一連のプロセスをこの場所で開催できるようにしているのだ。

 最後は地下へ。実は休憩所にある椅子をはじめ、館内各所に置かれている椅子は、北欧デザイナーの作品を中心にした名作ぞろいなのだ。

 解説者の話が聞き取りやすいように参加者にはインカムを装着させるなど、配慮の行き届いたツアーは1時間程度だが、とても満足の行く内容だった。ツアー参加者にはモレスキンと国立新美術館の共同製作によるオリジナルノートも配布されるので、そのノートにツアーの感想などを書き込むのも楽しそうだ。

地下の休憩所には、写真のアルネ・ヤコブセンの名作「エッグチェア」をはじめ、同じヤコブセンの「スワンチェア」などが置かれていて、好きに座ることができる
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