丸亀製麺の“湯気”と同様に「煙で集客」

 レイズ・オリジナルがあるのは、江ノ電の由比ヶ浜駅から徒歩7分の由比ガ浜海水浴場。由比ヶ浜駅は単線の無人駅で駅前も閑散としており、タクシー乗り場もない。だいたいの方角を目指して進み、住宅街を歩いていくと、数分で目の前に海が見えてきた。

 広い海水浴場のどこにあるのか分からず、キョロキョロ探すと、紺地に黄色で目立つ「CHICKEN」の文字が! 砂浜に降りていくと、黄色のパラソルが並んだデッキがあり、向かって右側がグリルスペースだ。卓球台ほどの巨大なグリルの下には炭火があり、その上では大量の丸ごとチキンが串にささった状態でクルクル回っている。鶏から落ちた脂が炭に落ち、煙がもうもうと店内にも浜にも広がっていく。このインパクト満点のビジュアルだけで、集客効果はすごそうだ。うどんをゆでる“湯気”でおいしさを演出する丸亀製麺と同じ戦略なのだろう。

 同じ鶏の丸焼きでもロティサリーチキンと大きく違うのは、オーブンではなく炭火で焼いている点。レイズ・キアベは特に炭を重視しており、店名の「キアベ」は本店で使用している炭の名前だという。だが日本では同じ炭が手に入らないので、同等の火力の炭を使用している。そのため、店名にキアベの名が入らず、レイズ・オリジナルとなっているとのこと。

 日本のハワイアンレストランで食べるフリフリチキンは、おしなべてスパイスを強めに利かせていて、ビールが進むような濃いめの味付けにしているところが多い。だが同店で焼きたてのフリフリチキンを味わってみて驚いたのは、「意外にあっさりしている」ということ。そのため最初はやや物足りなさも感じたが、スパイスが主張しすぎない、甘めの味付けなので非常に食べやすい。炭火で焼いて余分な脂が落ちているためか、あっさりしていて、いくらでも食べられそう。また回転させながら炭火で焼いているため、皮が均一な香ばしさで、パリパリ感を強く感じた。現地の味を知らないので比較できないが、こうしたシンプルで素朴な味わいが、幅広い層に受けている要因なのかもしれない。

 だが全国に約800店舗の丸亀製麺を展開しているトリドールがなぜ今、フリフリチキンを展開しようとしているのか。またなぜ、20年以上も店舗展開のオファーを断ってきたレイズ・キアベがトリドールとの提携を決断したのか。

焼きたてのフリフリチキンは皮の均一なパリパリ感が強く、甘めのシンプルな味付けで食べやすい。子どもから大人まで幅広く好まれそうな味
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日本でもおなじみのガーリックシュリンプは大きめのエビにクリーミーなソースがからまり、ボリュームたっぷり
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ビールによく合う「ガーリック枝豆」(800円)は人気を呼びそう
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ほんのり甘いグレービーソースとハンバーグが人気の「ロコモコボウル」(1400円)
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「ガーリックシュリンププレート」(1600円)
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「手ぶらハワイアンBBQ」(4500円)はほぼ2人分のボリュームで、ドリンク2本がセットになっている。大勢でシェアすることも可能
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