「あくまで水道工事の現場目線で作った」のが強み

 スーツ型作業着の開発は、元はといえば自社の男性作業員が着る制服のリニューアルがきっかけだった。従来、市販の服を着ていたが、作業員とはいえ清潔感のあるパリッとした服で他社との違いをアピールしたい。良いイメージで人材の採用にも役立てたい――。そんな狙いもあり、独自に開発を始めたのだという。

 面白いのは、「当初は社外に販売する意図はなく、社内向けの作業着として開発していた」というウラ話。社外でも需要が見込めるとの判断から、販売専門のグループ会社を立ち上げたのは発売3カ月前の2017年12月。それでも、「個人の方に“作業着”がこんなに売れるとは正直、驚いている」と中村さん。そして、売れる理由をこう分析する。

 「オアシスとしては、あくまで作業着の観点で作っている。しかも、水回りの仕事を担う現場作業員の目線で開発した。それがアパレルメーカーにはない強みかな、と思っています」(中村さん)

 水回り作業の効率を上げるため、防水・はっ水・速乾・伸び縮みといった素材機能を従来品よりも高いレベルで求めた。生地サンプルを100種類以上、全国から取り寄せて吟味し、採用したのはスポーツウエア向けのもの。試作品をスタッフに着せて作業してもらい、修正を何度か加えながら1年近くをかけて開発したのだという。

生地ははっ水力・防水力が高く、水滴がコロコロ転がっていく。水を通しにくい性質は水回り作業に好適(画像提供:オアシススタイルウェア)
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ストレッチ素材は動きやすく、腕まくりもしやすい。自宅で洗濯しても形崩れしにくい(画像提供:オアシススタイルウェア)
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 「特に、毎日洗って清潔な状態で着られるのは絶対条件です」(中村さん)。現場での作業は汗をかくし、汚れやすい。作業着はどの会社も基本的に毎日洗うことを推奨している。家庭の洗濯機で洗える点は、既存の洗えるスーツと同じだが、ワークウェアスーツはわずか2~3時間で乾くという。

 「毎日洗って毎日着るTシャツと同じ感覚です」(広報担当の岩見祐香さん)。この言葉に説得力を感じる。

 生地に触れてみると、思いのほか、しなやかな手触り。なんとなくゴワゴワと硬そうな作業着のイメージが一変した。着心地を尋ねると、「軽くてめちゃくちゃ楽です!」。こう話す技術スタッフの素原勇人さんは、休みの日にこのズボンをはいて過ごすこともあるそう。着心地はジャージに近いのかもしれない。