キット化したことで高付加価値野菜を求める層をつかんだ
大手ECサイトやコンビニエンスストアまでもがカット済み野菜や調味料を同梱した料理キットに続々と参入する一方、Kit Oisixの発売は2013年と宅配野菜専門業者としては遅めだ。しかし、発売開始から3年間で売上は累計250万食となり、定期会員数は2016年には3万人に達したという。
Kit Oisixが好調な理由について、同社の統合マーケティング室の奥谷孝司室長は「ニンジンが一本まるごと届いても、忙しい主婦の方は平日に調理する時間がなかなか取れなかったかもしれない。手軽に使えるキットを試したことでオイシックスに興味を持った人が多かったのではないか」と分析する。一般的に、食材の宅配サービスを日常的に使うのは共働きで可処分所得の高い層といわれている。キット化したことでこの層のニーズをとらえられたというわけだ。
一方、Kit Oisixの利用者の中には、週に2、3回パートに出るときだけに使うという人も多いそうだ。カット野菜を集めたSet Oisixを投入した理由はそこにあるという。「野菜売り場で少しだけ野菜を切ってくれたらいいのにと考えている人は少なくない。夕食のセットは不要だが、自分で作った肉料理に野菜をちょっとだけ添えたいというような需要が見込める」(奥谷室長)。
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