この2人は、サッカーファンこそ注目すべきアスリートだ

 なお、筆者はサッカーファンとして、この大会の結果がサッカーファンにとっても喜ばしいものであったことを、付記しておきたい。

 そこには監督の不可解な解任もなく、選考に忖度があったのでは? といった陰口もない。ビッグクラブへの移籍が噂されるほどの実績を残しながら、ポリバレント(かつて日本代表監督だったイビチャ・オシムが使ったキーワードで「複数のポジションをこなす選手」というような意味)でないという曖昧な理由で代表候補から外されるいった理不尽さもない。ただ競技者としての実力によって激戦を勝ち抜き、日本代表の地位をつかんだ2人が、そこに立っていた。それは「これぞ、スポーツのあるべき姿だ!」と思える、なんとも清々しい光景でもあった。

「日本製のゲームで、日本代表として戦うのは光栄です。アジアの頂点を目指します」(SOFIA選手) 「海外に行ったことがありませんが、日の丸の誇りとともに戦います」(レバ選手)

 だから、テレビゲームのファンだけでなく、サッカーを愛する人も、ぜひとも、この2人には注目してほしい。誠実で、礼儀正しく、そして日本代表の誇りを胸に、サッカーゲームという競技で国際試合に挑むアスリートがここにいる。この春、サッカーファンは、心から誇りに思いながら応援できる日本代表選手を、ついに手に入れたのかもしれない。

レバ選手。東京都出身。17歳。親の影響で『ウイイレ』を始めた。本気で取り組んだのは3年前からと短いが、その実力はプロを唸らせるレベル
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SOFIA選手。大阪府出身。21歳。欧州の国際大会での優勝経験もある実力者。1日の練習時間は3時間ほどと短いが、「練習は長さではなく内容が大事」と語る
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(c)Konami Digital Entertainment
野安ゆきお
野安ゆきお ファミコン時代からゲームライターとして活動開始。プレーしたゲームの本数は1000本を超える。ゲーム雑誌記事執筆のほか、100冊を超える攻略本を編集・執筆。現在はフリーランスのゲームジャーナリストとして活動中。子供のころ海外を転々とした経歴があるため、異文化に馴染むのが得意。1968年東京生まれ

[ 日経トレンディネット 2018年6月4日付の記事を転載]