「パナメーラ」「マカン」「カイエン」の電動化を推進か
全世界では2025年までにラインアップの50%を電動化する目標を掲げるポルシェだが、日本ではEVとプラグインハイブリッド(PHEV)を合わせた販売比率を2020年に2桁に、2022年に40%以上にするのが、今年1月時点での目標値だ。
すでに4ドアクーペの新型「パナメーラ」のPHEV比率は従来モデルの約2倍となる全体の30%を占めるなど、電動パワートレイン車の人気は上昇。7月21日に日本で発売される3代目「カイエン」は、ガソリン車から販売をスタートするが、現行型同様に本国ではすでにPHEVモデルが設定されており、近い将来に導入される見込みだ。
安定したシェアでポルシェを支えるスポーツカー「911」「718ボクスター」「718ケイマン」の3台には現時点では電動化モデルはないが、昨今の同社の販売数拡大を担うのは、4ドアクーペのパナメーラと、SUVのカイエン、「マカン」の3台だ。マカンにも将来的には、PHEVが登場すると見られており、今後はこの3車種の電動化モデルを推進して目標を達成していくのではないだろうか。
欧州ではパナメーラのPHEV比率がすでに60%にも達しているといい、この背景には、ユーザーの環境意識への高まりだけでなく、欧州各国で電動化モデルの導入を推進するインセンティブや、優遇税制なども効果を上げていると思われる。ただ完全な電動車であるEVは、「コストが高い」という課題があるため、各社ともEVを投入しつつも、当面はPHEVを主役に推進することは間違いない。ポルシェの電動化モデルもPHEVを軸に広がっていきそうだ。
(文・写真/大音安弘)
[ 日経トレンディネット 2018年6月4日付の記事を転載]
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