4月からはモバイルアプリにプレビュー機能を導入
――メンバーの利用を促すうえではUI(ユーザーインターフェース)も重要と考えます。グレッグ氏はプロダクトの責任者ということですが、Netflixの各種デバイス向けのアプリのUIについてこだわりなどがあれば教えてください。
グレッグ氏:
一番重視しているのは、より簡単にということ。UIに10年以上取り組むなかで一番感じたことでもあります。シンプルに使いやすいものであれば、より多くの人に使ってもらえます。同時に、Netflixを使うことは楽しという体験を提供できることも重視しています。それは作品を見ているときはもちろん、探しているときも楽しいものであってほしいと思っています。
いい例が、4月からモバイルアプリに導入したプレビュー機能です。丸いアイコンで表示され、タップすると予告が(約30秒の縦長動画で)見られます。それも次々とスワイプして面白そうだなと思える作品に簡単にアクセスできるようにしました。
――Netflixからは日本のコンテンツも多数海外に出ていっています。それらはどう評価していますか。
グレッグ氏: 日本のコンテンツは実写やバラエティーからスタートしましたが、『テラスハウス』や『あいのり』などは日本のクリエーターが驚くほどの反響が世界中からありました。英国、ドイツ、フランスなどで人気です。
今はアニメに力を注いでいます。アニメファンだけでなく、アニメを見たことがない人にも、Netflixのレコメンデーション機能を通じて楽しんでもらえるので、大きなチャンスです。同時に、質が高い実写のテレビ作品にも注力します。日本の人が見ても「これ、日本の作品なの?」と思ってもらえるような作品を提供していきます。
――Netflixでは才能あふれるクリエーターを世界中から起用していますね。世界で配信するからには、例えば、日本で人気があるからといった基準は意味がないでしょう。また、クリエーターからはNetflixは作るコンテンツについて比較的自由にさせてくれるという話もよく聞きます。クリエーターの選択基準などはあるのでしょうか?
グレッグ氏: 私たちは、クリエーターにクリエーティブの自由を提供することが最高の作品につながると信じています。と同時に、クリエーターが作品を発信する機会を見つける手助けをしたいとも思っています。そのために、最初の段階ではどんなストーリーを作りたいのか、どうつづりたいのかといった情報をクリエーターと共有します。ですが、そのあとは、要望は出さずに、自由に作ってもらいます。ビジョンがある人であれば、好きに作ってもらったほうがいいものができるからです。
(文/平野亜矢=日経トレンディネット)
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[日経トレンディネット 2018年6月7日付の記事を転載]
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