手探りでも操作が分かりやすい

 右側のハウジングには3つの操作ボタンがある。両端のボタンはボリューム操作用だ。中央の長いボタンは、1回押すと再生・停止、2回続けて押すと曲の送り・戻し、2回続けて押して2回目は押したままにすると早送り・早戻しができる。頭に装着した状態で右手を後ろに回して操作することになるが、Bluetooth接続ヘッドフォンの中には、こうした操作ボタンが小さくて手探りでボタンが判別しづらいものもある。この製品はボタンが大きめで指先で判別しやすく、操作も覚えやすかった。操作性は良好だ。

右側ハウジングに、充電用のmicroUSBポート、バッテリー残量やペアリング状態などを示すLEDランプ、再生操作用の3つのボタンがついている
右側ハウジングに、充電用のmicroUSBポート、バッテリー残量やペアリング状態などを示すLEDランプ、再生操作用の3つのボタンがついている
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迫力がありつつ繊細な音も聴き取れる

 筆者は7~8年前から日常的にノイズキャンセリングヘッドフォンを愛用している。主に外出先で仕事をする時に周囲の音をシャットアウトしたいの目的だ。これまでオーディオテクニカ、ソニー、BOSEの製品を主に使用してきた。

 これまで使ってきた製品と比べて、QuietComfort 35はノイズキャンセリング機能が一番強力に感じられた。特に地下鉄内で使うと違いは明らかで、騒音がかなり遠ざかってこれまでになく静かに感じられた。編集部で使うと、周囲に誰もいないのではと不安になって思わず辺りを見回してしまうほど静かだ。かなり強力なので、路上で歩きながら使うと近づく車の音などが聞こえなくて危険だ。基本的に、自宅やオフィス、飛行機や新幹線などで座った状態で使うためのものだろう。

 ノイズキャンセル機能をオンにしても人間の声は比較的よく聴こえる。地下鉄の車内だと、いつもなら騒音で聞こえにくい車内アナウンスや、少し離れた位置にいる人の話し声が聞こえてくる。しかし以前に試した同社のQuickComfort 25に比べると、人間の声もやや強めにキャンセルされているように感じた。

 ノイズキャンセリングヘッドフォンでは機能をオンにしたときにホワイトノイズが気になるものだが、この製品ではよく抑えられていてあまり気にならなかった。気になったのは、ノイズキャンセリング機能をオンにしたときにトンネルに入った時のような耳にツンとくる感覚があることだ。これは他の製品でも多少あるものだが、この製品はやや強めだ。

 Bluetooth機能やノイズキャンセリング機能は、音質面では不利になる。クラシック、ジャズ、ロックなど普段聴いている色々な音源を聴いてみたが、音は低音から高音までひとかたまりになって聴こえてくる印象だ。ベースの指先が当たるときのアタック音やシンバルの微妙なレガート音など、細かい部分もよく聴き取れる。特に音量を50%以上に上げると、迫力と繊細さが両立したBOSEらしい音になる。対応コーデックは公開されていないが、Bluetooth機能付きノイズキャンセリングヘッドフォンとしてはまずまずの音質だと感じた。長時間聴き続けても聴き疲れしにくいのも良いところだ。

 「QuietComfort 35」は、ワイヤレスで利用でき、装着感が快適で、操作性は良好だ。肝心のノイズキャンセリング機能は非常に強力で、こうした使い勝手や機能が非常に優れているノイズキャンセリングヘッドフォンだ。価格は高いが、ノイズキャンセリングヘッドフォンを探している人なら、一度試してみる価値のある製品だろう。長時間装着して聴き続けても疲れにくいので、飛行機や新幹線などに長時間乗ることが多い人、周囲の音をシャットアウトして仕事に集中したい人におすすめだ。

(文/湯浅英夫=IT・家電ジャーナリスト)