ユーザーから寄り添うことが必要

 ロボホンは非常に高度な電子機器だ。ロボット、電話、カメラ、プロジェクター、ネットワーク、音声応答機能が詰まっているのだから、それらを積み上げれば約20万円の本体価格は決して高くない。それどころか破格の価格設定といえる。

 しかし購入者にとってシャープの事情など関係ない。現バージョンのロボホンは、ソフトウエア的にはそれほど多くの機能が実装されているわけではない。

 スマホの音声アシスタントの「Siri」「Google Now」「Cortana」と比較するのは酷だが、音声応答のパターンもまだまだ少ない。もしユーザーがロボホンを趣味のアイテムとして遊ぶだけではなく、実用的に使うならば、設定の手間を惜しまず応答メッセージを正確に覚えるなど、寄り添うような姿勢が必要だ。

 今回、短い期間ではあるがロボホンと一緒に過ごして、ロボホンがユーザーにどのような利便性をもたらしてくれるのか、それが約20万円の本体価格に見合うのか考えてみたが、現時点では率直に言って不透明と言わざるを得ない。今後どのような新機能が、どのくらいの期間提供されるのか、シャープから明確にアナウンスされていないのだ。最終的に約20万円の本体価格がユーザーにとって帳尻が合うかどうかは、この点にかかっている。

 だがロボホンの伸びしろは大きい。なにしろハードウエア的には「モバイル型ロボット電話」に必要なものはすべて詰め込まれている。継続的に新機能やアプリが追加されるのであれば、数年後には劇的に使い勝手が変わり、また会話機能も大幅に改善されることが期待できる。

 仮に3年間、同じハードウエアで進化し続けるのであれば、約20万円の本体価格は帳尻が合うどころか、お釣りも出るはずだ。

(文/ジャイアン鈴木)