2017年型は「見せずに殺す」がトレンド!?

 同じワンプッシュ型スプレーでも狙いは真逆なのが、アース製薬のゴキプッシュプロだ。こちらは“暴れるゴキブリを見ないで簡単退治!”が大きな売り。同社が実施したゴキブリに対する印象調査によると、「ゴキブリは死骸であっても見たくない」 という人が64.2%もいたことに着目し、「見ないで退治したい」「知らない間に死滅していてほしい」というニーズに応える商品として開発したという。フマキラーのゴキブリワンプッシュがゴキブリを外に飛び出させるのに対し、ゴキプッシュプロはゴキブリがフラッシングアウトしにくいため、スプレーしても飛び出してくることがないのが特徴だ。

 また使用環境によっても異なるが、持続成分フェノトリンの作用で、スプレーした箇所はゴキブリの駆除効果が約1週間続く。そのため、見えないところに巣をつくってしまっている場合でも、効果的に駆除ができる。強力な駆除効果がある成分イミプロトリンの働きで、見かけたゴキブリに直接スプレーしても素早く退治できる。「ゴキブリエアゾール売り上げトップ(※1)である『ゴキジェットプロ』の速効性と、見ないで簡単退治できるゴキブリ誘引殺虫剤売り上げトップの『ブラックキャップ』(※2)の技術を融合させた、ゴキブリ駆除剤の進化版」(アース製薬)だという。

※1 インテージSRI ゴキブリエアゾール市場 2014年1月~2016年12月実計販売金額(ゴキジェットプロシリーズ計)
※2 インテージSRI ゴキブリ用毒餌剤市場 2015年1月~2016年12月実計販売金額(ブラックキャップシリーズ計)

 ワンプッシュタイプでは発売が早かったゴキブリワンプッシュがこれまで売り上げトップを独走していたが、ここにきてアース製薬のゴキプッシュプロが追い上げている。「直近の売り上げデータでは、(ゴキブリワンプッシュを)抜きつつある。これからさらに伸びると予想している」(アース製薬)。しかし、フマキラーも少し遅れて、ゴキプッシュプロと同じくゴキブリを見ずに殺せる“待ちぶせ殺虫タイプ”のゴキブリプッシュプロを発売。持続性の高い殺虫成分でゴキブリがすみ着きにくい環境を作り出すと同時に、直接スプレーして退治できる点も同じだ。

 もう一つ共通しているのが、女性の手でも持ちやすいコンパクトなサイズであること。殺虫剤はゴキブリが出た瞬間に使いたいので身近に置きたいが、従来のエアゾールタイプはサイズが大きくて目立つうえ、女性の手では瞬時に使いにくい場合もある。「『450mlなどのロング缶は押し続けると疲れる、押しにくい』という女性からの声もあった。指の力の弱い女性でも、ゴキブリプッシュプロはこれまでのものと比べてとても押しやすいと好評」(フマキラー)だという。

隙間の奥まで噴射できるロングノズルと直接噴射の2WAYノズル採用。左がアース製薬の「ゴキプッシュプロ」、右がフマキラーの「ゴキブリプッシュプロ」
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ゴキブリが生息しやすい家具や冷蔵庫の隙間にスプレーするだけで、殺虫効果を発揮する
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どちらも、女性の手でも持ちやすく使いやすいサイズ。すぐ手にとれる場所に置いても、隠せる点もいいと感じた
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(文/桑原恵美子)

日経トレンディネット 2017年6月15日付の記事を転載]