耳が疲れにくい、蒸れないのがメリット

 筆者の場合、前述の装着方法で専用アプリを通して聴くと、音楽鑑賞用のイヤホンとして満足できるようになった。低音域、ベース音などはやや物足りないが、高音域の細かい音、たとえばシンバルの音やギターの音などは聞き取りやすい。管楽器の音、ストリングスの音も聴きやすかった。

 編集部にいる何人かの人にも装着して普段聴いている音楽を聴いてもらったが、全くダメな音という人もいれば、なかなか良い音という人もいた。人によって感じ方がかなり異なるようだ。

 耳を塞がず、鼓膜を使わずに音を聴くのは不思議な感覚だ。周囲の話し声や騒音は普段と同じように聞こえてくるのに、スマホで再生している音楽も同時に聴こえてくる。聴きながら外を歩いたり仕事をしたりしてみたが、イヤホンで音楽を聴いているというよりも、少し離れた場所で鳴っているBGMが聴こえてくる感覚に近い。

 良い点だと感じたのは、疲れにくいことだ。鼓膜を使わないため鼓膜を痛めずに済むし、聴いた後の耳の疲労感もイヤホンに比べてずっと少ない。耳を塞がないため、イヤホンを装着したときのように耳の中が蒸れることがなく快適なのもメリットだろう。汗をかきやすい夏場にいいかもしれない。耳たぶを軽く挟むだけなので落ちてしまうのではと思ったが、実際には装着したまま動き回っても外れにくかった。ジョギングなど運動しながらでも使えそうだ。

 気になったのは音漏れだ。前述のようにかなりボリュームを上げて使っていたこともあり、編集部で周囲の人に意見を聞くと「音漏れして聴こえてくる」とのことだった。音漏れが気になるような場所での使用には向いていないだろう。