骨伝導技術を使った機器の製造販売を手がけるBoCoの「earsopen」(イヤーズオープン)シリーズは、世界初のハイレゾ級骨伝導イヤホンとのうたい文句で、クラウドファンディングで1億円以上を集めたことが話題となった。骨伝導技術を使うことで耳を塞がずに音楽鑑賞ができるのが特徴で、外の音と音楽を同時に聴くことができる。屋外でジョギングなどをするときに、自動車のエンジン音など周囲に注意しながら音楽を楽しめるというわけだ。

BoCoの骨伝導イヤホン「earsopen」。耳を塞がず、耳に引っ掛けるように装着する
BoCoの骨伝導イヤホン「earsopen」。耳を塞がず、耳に引っ掛けるように装着する
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 一般のイヤホンは空気を振動させて鼓膜に伝えるが、骨伝導機器では音の振動を骨に伝える。利用者はこれを音として認識する。鼓膜を使わないため周囲の騒音に左右されにくいのが特徴で、周囲の音が大きいコールセンターなどで使う業務用イヤホンや、聴覚補助用イヤホンとして使われてきた。

 音質の問題で音楽鑑賞には向かないと言われてきたが、「earsopen」シリーズの音楽鑑賞用モデルはそれを覆そうと開発された。スマホで音楽を聴きながら通勤やスポーツをする人にはピッタリのイヤホンになる可能性がある。それも“ハイレゾ級”の音ということだが、果たして本当にいい音なのか、実際に様々な場所で音楽鑑賞してみた。

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