データが緊急の備えに役立つかもしれない

 クックパッドがこの調査を行った背景には、東日本大震災のときの反省がある。東日本大震災のときも問題意識はあったものの、当時のクックパッドが持つ検索データの規模では、十分な分析をすることはできなかった。

 だが、クックパッドのユーザー数はここ3年で倍増した。スマートフォンが浸透したことで、パソコンでの検索がメインだった頃よりもクックパッドを気軽に検索する人が増えた。特に、クックパッドの中心ユーザーである20~40代の女性はスマホで日々のレシピを検索することが日常化しており、非常時でも利用したのだろう。震災直後の熊本県に絞り込んでも十分なデータが得られた。

 一括りに“災害”といっても、様々なタイプがある。熊本地震では電気の復旧が早かったことや余震への恐れから電気が早々に使われたが、東日本大震災では逆に電気がなかなか使えるようにならず、カセットコンロの火で調理するしかない状況もあった。「災害だからと一概にはいえないが、データを分析することで将来起こりうる災害に向けてできることもあるのではないか。クックパッドとしては、引き続き分析をして、私たちにできる形で情報を発信していきたい」(草深さん)。非常時のために何を備えておくべきか、私たちもこれを機にもう一度考えてみたい。

(文/淡路勇介=フリーライター)