ザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド ─50周年記念エディション─』が5月26日に発売された。6月5日付のオリコン週間CDアルバムランキング(集計期間5月22日~5月28日)では、7位にランクイン(洋楽アルバムでは1位)。同バンドが持つ洋楽グループによるアルバムトップ10獲得作品記録を通算22作に更新した。『サージェント・ペパーズ』は、ロック史上の金字塔とも呼ばれる名盤であるとはいえ、ヒット曲だけを集めたベスト盤ではない。衰えを知らないビートルズ人気に驚くばかりだ。
今回の『サージェント・ペパーズ』は、1967年のオリジナル版の発売から50周年を記念して企画された。同時にオリジナルの4トラックのテープ音源を、新たにミックスダウンし直して(リミックスして)いる。ミックスダウンとは、各トラックに録音されたボーカルや楽器などの音源を、音量やバランスなどを調整して、一つの楽曲にまとめる作業。ザ・ビートルズのほぼ全作品をプロデュースしたジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティンらがリミックスを手掛けたことでも話題となった。
1967年に登場した世界初の“コンセプトアルバム”
改めて説明する必要もないかもしれないが、『サージェント・ペパーズ』を聴いたことがない読者のために、その概要を説明しておこう。
『サージェント・ペパーズ』は、1967年6月に発売されたザ・ビートルズの8枚目のオリジナルアルバム。これがザ・ビートルズの、そしてロックの歴史にとって重要な作品となった理由は、世界初の“コンセプトアルバム”といわれているから。アルバムに収録された複数の楽曲が一つのコンセプト(概念・構想・演出)を作り出しているのだ。
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