『めく~る』は、まだ完成してない

 めく~るは5月18日に無事にリリースにこぎつけた。2016年10月の本格的な開発スタートから半年強という強行スケジュール。それが可能だったのは、「Nintendo Switchのソフト開発環境が優れていたことに尽きる」と香月会長は言う。

 Nintendo Switchは「Unreal Engine」と「Unity」という2つのゲームエンジンで開発できるのだが、とりわけUnityはスマホのゲームでも使用されているため、普段からソーシャルゲームを開発しているエンジニアにとって参入ハードルが低い。また、美麗なグラフィックを使わず、ここぞという演出にのみ力を入れてシンプルに仕上げたことも小さなパブリッシャーが短期間でゲームを開発できたポイントだろう。この辺りは、スマホ向けゲームで培ったOVER FENCEの強みが生きた部分だ。

 スマホ向けゲームで得たノウハウはゲームのコンセプトにも生かされている。いまやライトユーザー向けゲームの主流になったスマホゲームは、リリース後も日々アップデートされるのが当たり前だ。キャラクターやステージを追加してボリュームを増やしながら、長く遊んでもらうことを目的としている。「『めく~る』も長く遊んでもらいたい」と角川さん。売り切り型のコンシューマゲームでありながら、5月18日のリリース後も新しいステージやキャラクターなどを順次配信する予定だ。

 「まだ開発は終わりません。『めく~る』はゆっくり完成していくゲームなんです」(角川さん)。怒濤の開発期間が終わっても角川さんの冒険はまだまだ続くのだ。

モード選択画面右側に「Coming Soon」の文字があるのが分かるだろうか? 新しいモードは順次提供されるという仕組みなのだ (C)2017 OVER FENCE CO., LTD
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(文/野安ゆきお)

日経トレンディネット 2017年6月2日付の記事を転載]