有料動画配信サービスの対抗策として充実化

 背景にあるのが、有料動画配信サービスの世界的な普及だ。それに応じてDVD・ブルーレイなどのパッケージ商品の需要は落ちており、例えば米国のレンタルDVD店舗は2000年代初頭まで最大手として9000店舗以上を運営していたブロックバスターが、現在は9店舗を残すのみ。

 そんななか、パッケージ商品は配信サービスと差異化しつつ、映画ファンにアピールするために特典を充実させているわけだ。だからこそ、大規模映画ほど本編の撮影と同時進行でメイキング制作チームが独自に動くようになっており、“豪華特典”として収録されるようになっている。

 ちなみに日本の有料動画配信サービスの利用者は2017年末現在で約1440万人。2020年には2000万人を突破するという見込みもあるが(ICT総研「2017年 有料動画配信サービス利用動向に関する調査」)、レンタル店は2008年の2969店から2017年の2184店と米国に比べれば減少率は低い(日本レコード協会の「2017年度CDレンタル店調査」)。販売用DVD・ブルーレイもまだまだ売れる傾向にあるが、それでも対抗策として特典の充実化は進んでいる。

有料動画配信サービスの利用者は年々増えている(ICT総研「2017年 有料動画配信サービス利用動向に関する調査」)
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 DVDやブルーレイを買ってまで映画を見る人の多くは劇場公開時にその作品のファンになった人、またレンタルで楽しむ人の多くは、劇場で見逃した人だろう。ホームエンターテイメントを手がける会社としては、前者にはその作品を愛し続けてもらいたい、後者には劇場公開時以上にコンテンツの魅力を伝えたい、というもくろみがある。飽きることなくずっと愛し続けてもらえるコンテンツに成長させるために、特典は必要不可欠なものなのだ。

(文/よしひろまさみち)

よしひろまさみち
映画ライター、編集者
音楽誌、女性誌、情報誌などの編集部を経てフリーに。『sweet』『otona MUSE』で編集・執筆のほか、『SPA!』『oz magazine』などインタビュー、レビューの連載多数。日本テレビ系『スッキリ!!』で月1回レギュラーの映画紹介のほか、テレビ、ラジオ、ニコ生などでも映画の紹介を手がける。

[ 日経トレンディネット 2018年5月10日付の記事を転載]