クラウドファンディングで話題になった小型の自撮りドローン「AirSelfie」の日本発売を目前に控え、いち早く試用する機会を得た。これまでのドローンの常識を覆すスリムで美しいデザインの金属製ボディーや、手のひらに載せて上にヒョイと投げれば簡単に離陸できる工夫など、ガジェットとしての魅力や面白さ、目新しさは十分。実物を手にしたときは、思わずドキドキしてしまった。だが、美しい見た目に反して挙動はかなりのじゃじゃ馬であり、扱いには手を焼いた。

モノとしての魅力が高い自撮りドローン「AirSelfie」(右奥)。AirSelfieを収納・充電するケース「パワーバンク」とのセットが3万2818円(税込み)と、価格もまずまずだ
モノとしての魅力が高い自撮りドローン「AirSelfie」(右奥)。AirSelfieを収納・充電するケース「パワーバンク」とのセットが3万2818円(税込み)と、価格もまずまずだ
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ガジェット的な魅力は十分。フラットな状態のまま飛ぶのがすごい

 AirSelfieは製品名の通り、三脚や自撮り棒などでは不可能な高さやアングルからの自撮り(セルフィー)を楽しむためのドローンだ。片手でスマホやカメラを支えなければならない自撮り棒とは異なり、構図やポーズが制約されないメリットを訴求し、SNSや旅行でセルフィーを楽しみたい人に売り込む。

 機体は、4基のプロペラで浮力を発生させて飛行する仕組みで、この点は多くのドローン(マルチコプター)と共通だ。だが、不格好な凹凸のないフラットなデザインがとてもスマートなうえ、アルミ製のボディーは質感が高い。小型ドローンにありがちな安っぽさやオモチャっぽさは一切なく、モノとしての魅力は十分だ。何より、何かしらの部品を装着したり引き出したりする必要がなく、このフラットな状態のまま飛行するのが大いに気に入った。

AirSelfieの外装はアルミニウム製で、凹凸のないフラットなデザインは質感も高い。4基のプロペラを搭載するが、何か部品を引き出したり追加することなくこのままの状態で飛行するのがすごい
AirSelfieの外装はアルミニウム製で、凹凸のないフラットなデザインは質感も高い。4基のプロペラを搭載するが、何か部品を引き出したり追加することなくこのままの状態で飛行するのがすごい
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iPhone 7(左)と比べると、AirSelfie(右)の小ささがよく分かる
iPhone 7(左)と比べると、AirSelfie(右)の小ささがよく分かる
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前面に搭載したカメラは約500万画素。レンズの焦点距離は不明だが、画角は約69度とのこと。ブレを補正する機構は一切搭載しない
前面に搭載したカメラは約500万画素。レンズの焦点距離は不明だが、画角は約69度とのこと。ブレを補正する機構は一切搭載しない
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底面のセンサーを覆うプラスチック製のフードがやや盛り上がっているものの、ボディーはフラットに仕上げられていて美しい
底面のセンサーを覆うプラスチック製のフードがやや盛り上がっているものの、ボディーはフラットに仕上げられていて美しい
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 キットには、バッテリーを内蔵したケースが付属し、AirSelfieを内部に格納して充電できるだけでなく、プロペラなどの重要なパーツを保護しながら持ち運べる。ケースは、単純にAirSelfieを格納して充電・格納するパワーバンク(AirSelfie本体を含むキットの価格は3万2818円、税込み)と、iPhone 6/6s/7かGalaxy S7 edgeを表面に収納できるスマホケース兼用タイプ(同3万1598円、税込み)の2種類を用意する。スマホケース兼用タイプは一見すると便利そうに見えるが、すでに使っているケースやカバーを外さないとスマホを装着できないので、あえて選択するメリットは薄いだろう。

キットに付属するバッテリー内蔵ケース。AirSelfieを底面から格納すれば、バッテリーの充電と本体の保護が両立できる
キットに付属するバッテリー内蔵ケース。AirSelfieを底面から格納すれば、バッテリーの充電と本体の保護が両立できる
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スマホケース兼用タイプの充電ケースは、iPhone 6/6s/7かGalaxy S7 edgeがはめ込めるようになっている
スマホケース兼用タイプの充電ケースは、iPhone 6/6s/7かGalaxy S7 edgeがはめ込めるようになっている
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パッケージには、ラバー製の保護パーツが付属する
パッケージには、ラバー製の保護パーツが付属する
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保護パーツを装着したところ。このままでは充電ケースに格納できないので、いちいち脱着するのが面倒くさい
保護パーツを装着したところ。このままでは充電ケースに格納できないので、いちいち脱着するのが面倒くさい
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