[5]他の物質への依存
ボストン小児病院小児睡眠障害センター所長ジュディス・オーウェンス医師は、ワシントンポストに対し、「子どもたちが早い時期にカフェインを摂取するようになると、喫煙やアルコールを摂取するようになる可能性が高い」と警告します。因果関係は不明ですが、カフェインを摂取する子どもは、精神作用がある物質を試す可能性が高くなるようです。
また、エナジードリンクが他のドラッグへの入り口になると主張する研究者もいます。メリーランド大学の報告によると、エナジードリンクを飲む学生は、アルコールやドラッグなどの利用が高まりました。
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Increased alcohol consumption, nonmedical prescription drug use, and illicit drug use are associated with energy drink consumption among college students.」
[6]うつ病
ピッツバーグ大学の調査によると、うつ病と診断された30人(7~17歳)の子どもは、1日平均コーヒー5杯分のカフェインを摂取していました。一方、同年齢の精神的な疾患を診断されていない23人は、1日コーヒー1杯分のカフェインを摂取するだけでした。
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Caffeine Consumption, Sleep, and Affect in the Natural Environments of Depressed Youth and Healthy Controls」
Washington Post「More kids are drinking coffee. Is caffeine safe for them?」
この報告の共著者であるジェニファー・シルク博士は、ワシントンポストに対して、「カフェインが子どものうつ病に影響したのか、うつ病のため子どもがカフェインを欲しがったのか、因果関係ははっきりしていません。ただ、子どもはけだるさや落ち込んだ気分のときに、カフェインを摂取すれば気分が良くなり、エネルギーが高まると思い、自己治療法として使っている可能性があります」といいます。
シルク博士らの研究では、うつ病の子は多めにカフェインを摂取した日は、より不安を報告したことが示されています。シルク博士は、「疲労、気分の悪さや不安に対処するため、カフェインを使用する傾向がありますが、カフェインこそが、それらを引き起こす可能性があるのです。つまり、子どもがカフェインを摂取していいという、十分な理由はないといえます」といいます。
[7]長期的な影響
子どもがカフェインを摂取することによる長期的な影響は、科学的に不明です。オーウェンス医師は、ワシントンポストに対して、「子どもたちがカフェインを利用する理由はありません」と警告します。
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