おにぎり、弁当、サンドイッチのほか、各コンビニが力を入れているのがレトルト食品。PB(プライベートブランド)商品として煮物やハンバーグといった惣菜を中心に多数展開していて、これがおいしいと評判だ。レトルト食品といえば、やはりカレーは見逃せない。そこで各コンビニのレトルトカレー&ビーフシチューを食べ比べてみた。今回は国民食ともいえるカレー編をお届けする。

同じビーフカレーなのに3商品とも方向性が異なる

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 今回のコンビニ食品実食テストは、レトルトのビーフカレー。各コンビニで味はどれだけ違いがあるのか、また本当においしいのか。その疑問を解消すべく、味香り戦略研究所による味覚分析と、食のプロによる実食で、コンビニ大手3社のビーフカレーをチェック。セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、それぞれの味の傾向を明らかにしていく。

 実食するのは以下の3商品だ。

○セブン-イレブン「セブンゴールド 金のビーフカレー」(267円)
○ローソン「ローソンセレクト ごちそうビーフカレー」(333円)
○ファミリーマート「ファミリーマートコレクション じっくり煮込んだビーフカレー」(332円)

 各コンビニのPB(プライベートブランド)商品の中でも、上位ラインで発売されているビーフカレーを選択した。通常ラインでもレトルトカレーはあるが、こちらにはビーフという記載はない。やはり“ビーフ”は少し特別なカレーなのだろう。

 さらに、レトルトといえども今回紹介する商品はすべて要冷蔵。おいしさを維持し、食中毒を防ぐという意味においても各コンビニのこだわりが現れている。作り方は通常のレトルト食品と同様に湯せん、またはお皿にあけてレンジで加熱する。

 3商品のビーフカレーを見比べると、一般的なカレーのような黄色味ではなく、デミグラスソースのような上品&高級感のある色をしている。とはいえ、ルーの色は各コンビニで微妙に異なっている。セブン-イレブンは赤味が強く、次にファミリーマートが赤い。ローソンは一番赤味が弱い。

 そしてセブン-イレブンのルーはドロッとしていて油も浮いているため、日本のカレーというよりインドカレーのようなスパイスが利いたカレーに見える。対照的にローソンはドロッとはしておらず、かといってシャバシャバでもない。油も少なく、いわゆる日本のカレーのイメージに近い。ファミリーマートはその中間で、方向性としては欧風のカレーといった印象だ。

 具材については、ファミリーマートの肉が一番大きく、次いでローソンが大きい。ファミリーマートは肉のほかににんじんとじゃがいも、ローソンは小さめのにんじんとマッシュルームのスライスが入っているようだ。セブン-イレブンはルーの色が濃く、ルー自体に玉ねぎらしき具材の凹凸があり、なかに入っている具材が見えにくい。ほかの2社に比べるとやや小さめの肉がいくつも入っているようだが、にんじんに見えるものもある。

セブン-イレブン<br>「セブンゴールド 金のビーフカレー」
セブン-イレブン
「セブンゴールド 金のビーフカレー」
専門店の本格的な味が楽しめるセブンゴールド商品。炒めた香味野菜を自家製の牛スープで煮込み、スパイスを2回に分けて入れてスパイシーに仕立てている。さらに黒糖とバターを加えてルーの風味をアップ。牛肉は圧力釜で加熱した後にじっくり煮込んでいる。税込み価格288円
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ローソン<br/> 「ローソンセレクト ごちそうビーフカレー」
ローソン
「ローソンセレクト ごちそうビーフカレー」
ローソンセレクトのなかでも金色のロゴが使われているワンランク上の商品。22種類の香辛料をブレンドしたカレー粉、5種類の香味野菜のバターソテーを使用。さらにカカオを加えてほろ苦さを加えつつ、リンゴとバナナをブレンドしてフルーティに仕上げている。税込み価格360円
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ファミリーマート<br/> 「ファミリーマートコレクション じっくり煮込んだビーフカレー」
ファミリーマート
「ファミリーマートコレクション じっくり煮込んだビーフカレー」
ファミリーマートコレクションのなかでもプラチナラインとして展開している商品。香味野菜などを加えて長時間炊き出したブイヨンに、赤ワインで煮込んだ牛肉、デミグラスソース、香辛料を加えて欧風カレーに仕上げている。牛肉も野菜も大きめにカットしてある。税込み価格358円
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 ルーの色の違いは、味にも影響があるのだろうか? そして具材の違いはおいしさに関係があるのか? 味覚分析の結果とプロが実食した感想から、それぞれのビーフカレーの特徴を見ていこう。

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