LTEでの通信速度は大差ない

 通信速度はiPhone SEが、前機種に比べて明らかに劣っている点だ。

 iPhone 6s、6s Plusは、複数の電波を束ねて高速化を実現するキャリアアグリゲーション(CA)に対応した「4G LTE-Advanced」、2本のアンテナで高速通信を可能にするMIMO技術を採用した「MIMO対応IEEE802.11 a/b/g/n/ac」をサポートしている。これにより6s、6s Plusはスペック上の最大通信速度において、モバイルデータ通信300Mbps、無線LAN通信866Mbpsを達成している。一方、iPhone SEはモバイルデータ通信150Mbps、無線LAN通信433Mbpsと2分の1にとどまっている。とはいえ、これはあくまでも理論値だ。

 そこで今回iPhone SEとiPhone 6s Plusで、LTEと無線LAN(Wi-Fi)の実際の通信速度を計測してみた。通信速度計測に使用したのは「RBB TODAY SPEED TEST」アプリだ。

モバイルデータ通信の速度比較(単位:Mbps)
※au契約のSIMカードを使用、計測地は埼玉県さいたま市の住宅街
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無線LANの速度比較(単位:Mbps)
※ネット回線は「フレッツ 光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ」(最大1Gbps)、無線LANルーターはプラネックス「MZK-1200DHP」(最大833Mbps)を使用
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 モバイルデータ通信についてはiPhone SEが下り平均11.15Mbps、iPhone 6s Plusが下り平均13.47Mbpsとなり、大きな速度差にはならなかった。

 複数の電波を安定して捉えられる都心部で、キャリアアグリゲーションを利用できる条件さえそろえば、iPhone 6s Plusは100Mbpsを超える下り通信速度を記録し、両者に2倍近い差が生じていたかもしれない。しかし、筆者の住む埼玉県さいたま市の住宅地では、iPhone 6s Plusが搭載する「4G LTE-Advanced」の恩恵は受けられなかったというわけだ。

 一方、地理的な条件に左右されない無線LAN通信では、iPhone SEはiPhone 6s Plusに100Mbps弱もの差をつけられ大敗を喫している。動画、音楽、コミックなど容量の大きなコンテンツをダウンロードする際には、iPhone 6s Plusのほうが高速なのは間違いないところだ。

 ただ、iPhone 6s Plusの無線LAN通信速度は、現状のスマートフォンの用途にはオーバースペックだと筆者は考える。iPhone 6s Plusの200Mbpsを超える下り通信速度を最大限に活用できるのは、「iCloud」に保存したバックアップデータからリカバリーするときぐらいではないだろうか?