質疑応答ではより突っ込んだ情報が明らかに

 質疑応答ではJ-deite RIDEに関するさらなる情報が明らかになった。その中から主立ったものを紹介していこう。

 まず、ビークルモードでの走行性能だが、スペック上は時速60km/hでの走行が可能とのこと。ただし、J-deite RIDEは完成以来、工場から出たことがないため、実測はまだしていないという。公道を走れるものではないため、現在、実測に協力してくれるテストコースなどを募集中だそうだ。

変形する「J-deite RIDE」の姿に感動する一方、一定範囲以内に近づくことが許されず、もどかしさも感じたお披露目会だった。テールのデザインが見たい!
[画像のクリックで拡大表示]
ビークルモード(クルマ形態)は、正面から見ると、パワフルなハイパフォーマンスカーを思わせる
[画像のクリックで拡大表示]
ロボットモードにおける頭部はフロントグリルに収納。その空虚さにこのマシンの特殊性が表れている
[画像のクリックで拡大表示]

 加えて、J-deite RIDEの開発で苦労したポイントも明らかになった。J-deite RIDEは基礎設計に1年、部品の開発・評価に半年、組み立て始めてから完成までが約1年と、トータルで約2年半の期間を要した。その中で、特に難しかったのが、巨大化だ。

 J-deite RIDEが変形するための基本的な機構は、先行試作品のJ-deite Quarterとほぼ同じで、そのまま大きくしたようなもの。部品はなるべく市販品を使うようにしたが、そもそも「二足歩行のロボット用」として開発された部品がなく、部品の開発から始めなければならないケースが多かった。駆動用のモーターにしても、J-deite Quarterではホビー用のものだったが、大型化に伴い産業用のものに変更。ソフトウエアでの制御や、搭乗者の安全性確保にも苦労があったようだ。

 操縦については、ビークルモードでは一般的な自動車と同様にステアリングホイールとアクセルペダルで、ロボットモードではジョイスティックなどで行う。変形も含めた各種の操作は、コックピットからはもちろん、外部のコントローラーから2系統の無線を使って遠隔でもできるという。こうした操作もJ-deite Quarterのシステムを踏襲している。

 将来的には、アミューズメントパークなどで活用するほか、ドームなどで開催される大型コンサートの舞台装置などにJ-deiteの技術を生かすことを考えているという。

プレスリリースに「アミューズメントパーク向けの量産展開例」として掲載されていたイラスト。変形するゴーカートや、パレードでの変形デモンストレーションなどが描かれている
[画像のクリックで拡大表示]

 石田氏が子供のころに見た夢を発端に、着々とプロジェクトを進めるジェイダイト・ライドLLPの面々。実証実験を兼ねたJ-deite Quarterの設計から完成、さらにJ-deite RIDEの制作の期間が短いことを思えば、この次のフェイズ――合体、飛行するロボット――の実現はそう遠くないかもしい。まずはより動きが洗練された「J-deite RIDE」が全国の遊園地で活躍する日を心待ちにしたい。

(文/稲垣宗彦)

[ 日経トレンディネット 2018年5月8日付の記事を転載]