「誰も作らないなら、自分で作る」

 前述のジェイダイト・ライドLLPは、ソフトバンクグループの一員で、J-deiteの制御ソフトウエアを担当するアスラテック、ハードウエアデザインと設計を行うBRAVE ROBOTICS、量産、販売、製造サポートを担当する三精テクノロジーズの3社が設立した事業体だ。目的は、変形ロボット建造プロジェクト「プロジェクト・ジェイダイト」を推進すること。お披露目会ではまず、J-deiteの生みの親であるBRAVE ROBOTICSの石田賢司社長がマイクを取った。

三精テクノロジーズの大志万公博副社長、アスラテックのチーフロボットクリエイターの吉崎航氏、BRAVE ROBOTICSの石田賢司社長
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 石田氏がBRAVE ROBOTICSを立ち上げたのは、「いつの日にかロボットに乗ってみたい」という子供のころの夢がいつまでたってもかなわず、それなら自分で作ろうと思い立ったのがきっかけだそうだ。同社は変形ロボットの開発を専門に続ける世界で唯一の企業として、手のひらサイズのものから今回のような大型のものまで手がけているという。目指すのは、「人が乗って、変形、合体、飛行ができるロボット」。今回、人が乗り、変形までが実現したことで、これからは合体、そして飛行できるロボットの実現に向けて進んでいく。

 J-deiteのシステムについては、アスラテックでチーフロボットクリエイターを務める吉崎航氏が説明した。2014年に完成したJ-deite Quarterと同様、今回のJ-deite RIDEにも同社の制御プログラム「V-Sido(ブシドー)」が使われている。V-Sidoは油圧機構を使った大型のものから、もっと小型のものまで幅広く対応できる汎用性のあるシステムだが、J-deite RIDEのように、全長約4mという大きさで、2人が搭乗し、二足歩行もできるロボットを手がけたのは初めてだそうだ。「おそらく世界初のお披露目」と、J-deite RIDEへの自信をのぞかせた。

 三精テクノロジーズの大志万公博副社長は、自ら乗って操縦できる乗り物の実用化、量産化を目指して同プロジェクトに取り組む意向を示した。同社は、エレベーターの製造などを手がける会社として1951年に設立された。現在は、遊園地の乗り物や劇場の回り舞台、セリなどの大きな機構を持つ機械の設計や製作を手がけている。日本で最初にジェットコースターを作ったのも同社で、大阪万博では「ダイダラザウルス」という5つのジェットコースターが組み合わさったアトラクションを作って話題になった。5~6年前には、J-deiteとは別に、二足歩行できる変形ロボットを製作する企画を打診されたが、当時の技術では断念せざるをえなかったという。ところがその翌年、正月の特別番組で石田氏、吉崎氏のJ-deiteを知り、「これこそ取り組むべきプロジェクト」と事業部を立ち上げ、両氏にコンタクトを取ったという経緯がある。

あの大河原邦男氏がデザイン協力として参加

 お披露目会では、2通の応援メッセージも披露された。1通目は、デザイン協力として名を連ねる大河原邦男氏から。「機動戦士ガンダム」のモビルスーツや「装甲騎兵ボトムズ」のアーマードトルーパーをはじめ、多くの実績を残し、現在もメカデザインの第一人者として活躍する同氏は、「やっちまったぜ! 私の仕事はアニメを見ている子供たちの脳裏に、“夢の種をまくこと”と理解しています。子供のころに見た夢を花として咲かせてくれた皆さまに“ありがとう”と言わせていただきます」とのこと。

大河原邦男氏が手がけた「J-deite RIDE」のイメージデザイン。ビークルモード
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ロボットモード。ほぼそのままに実体化されているのが素晴らしい
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 2通目は、タカラトミーのトランスフォーマー・チームからで「『J-deite RIDE』の完成、おめでとうございます。同じ変形ロボットを創造する者として、これからも応援しています」というものだった。ハリウッド映画などでも世界的にも知られるトランスフォーマー・チームもまた、同じ夢を追う「同志」として「プロジェクト・ジェイダイト」へ期待を寄せた。