「楽しい」が循環するK-Culture
来場者に突撃取材をしながらコンベンションエリアを何周かするうち、どこにどんなブースがあるかが分かってきた。筆者は昨年もKCONを経験しており、そのときも思ったが、全体像を把握するまで多少時間がかかる。それくらい広い面積に、音楽、グルメ、旅、美容など、さまざまなジャンルのブースが並んでいるのだ。
この多ジャンル構造こそが、「ハマると止まらなくなる」K-Cultureの強みだ。
これは筆者を含むK-Cultureファンに共通の傾向だが、K-POPにハマるとプロフェッショナルな歌やダンス、凝った振り付けなどに「すごい」「こんなに楽しいものがあったんだ」と感動し、「この魅力を伝えたい」という気持ちが自然とわいてきて、Twitterやブログ、あるいはリアルで語るようになる。今回、インタビューした来場者にも「友人に薦められた」という人が多かった。ジャンルとしてメインストリームではないため、同じものが好きだと一気に親近感がわくからだろう。チケット譲渡などをきっかけに友達同士を引き合わせたりもする。こうして、いつの間にか仲間が増えていく。
しかも、K-Cultureは音楽とファッション、美容、フードが密接に絡み合っている。K-POPの情報を追ううちに、K-COSMEやK-FOODにも関心が広がる。逆もまたしかりだ。
例えば、日ごろからK-POPが好きな人は一人で曲を聴くだけでなく、K-POPが流れる店でサムギョプサルを食べながら好きなアーティストについて語り合う。K-POPのプロモーションビデオ(PV)を巨大スクリーンで観られるカフェでお茶をする。ニューオープンしたチキンの店に行く(韓国はフライドチキンも名物で専門店がたくさんあり人気アーティストの家族が経営する店などもある)。韓国コスメの店にも入る(男女問わず人気のアーティストや俳優が広告に起用されていることも多い)。CDや映像、グッズの店ものぞく。店内のテレビで流れる映像を観て「今はこのグループが人気なのね」と知り、CDを聴いてみようかと興味がわく……といったサイクルが回り始めるのだ。
それを一度に楽しめる街が東京でいえば新大久保であり、それを一日で体験できるイベントがKCONというわけだ。最近は渋谷や原宿などに韓国ファッションの店も増えたので、さらに活動しがいがあるだろう。
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