おすすめのモデルは……

 今回はBluetoothに対応した3万円以上のオーディオ製品を集めたが、Bluetoothスピーカーとひとくくりに呼ぶよりも、さまざまな製品ジャンルの機種を集めた、異色のモデル同士の対決となった。

 正統派のBluetoothスピーカーと呼べるのは、売れ筋であるソニーのSRS-X88だ。LDACやハイレゾ、Wi-Fiに対応する多機能なモデルではあるが、スマホと組み合わせても情報量志向のサウンドを鳴らす。3万円後半で、一般的なBluetoothスピーカーからのステップアップとしても最適だ。

 ハーマンカードンによるAURA STUDIOは、Bluetoothスピーカーを個性的なデザインに仕上げたインテリア志向のモデル。実際の音質は意外にも重低音志向なので、インテリアとしてはもちろん、パーティー用に音楽を鳴らすようなアクティブな用途におすすめしたい。

 もう一つ、Bluetoothスピーカーとして分類されるのがマーシャルのStanmore。見た目はレトロでアナログのスイッチとコントローラーを搭載する個性派だが、音質の良さも光る。Stanmore以外にも同じコンセプトのデザインの機種「Acton」(4万円)等のラインアップがあるので、音楽好きはぜひチェックしてみてほしい。

 他ジャンルからの出張とも呼ぶべき製品群では、BOSEのSoundTouch30がWi-FiスピーカーでありながらBluetoothにも対応している。実際のサウンドは安心の低音志向でBOSE流の音を部屋で流したい、ラジオの用な用途を求める人向けだ。

 最後にソニーのCAS-1は、「Bluetooth接続で本格的なオーディオが可能か?」という問いに正面から挑んだソニーの意欲作だ。デスクトップで高音質に聴くというコンセプトが明快で、ハイレゾ対応というだけでなくHi-Fiオーディオの次元で作り込まれたサウンドは、もはや異次元の出来映え。約7万円の投資の価値がある超高音質だ。

折原のイチオシ!
CAS-1(ソニー)

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 頭一つ以上抜けたハイレゾ対応の高音質としてCAS-1をイチオシと挙げたい。カジュアルリスニング向けではないかもしれないかもしれないが、Bluetoothスピーカーに7万円出せばこれほどの高音質に到達するのか、と思わずうならされた。パソコンの前で過ごす時間の長い人のライフスタイルにも相性が良い。他機種では、低音重視ならX88、素直に高音質を求めるならマーシャルのStanmoreもおすすめしたい。

(文/折原一也)

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