見たい対象の距離の違いによって老眼鏡のレンズは異なる

 雲林院氏は、「老眼鏡を作るときに大切なのは“普段見る対象の距離”。使用環境に合った度数で作ることが、使いやすさにつながる」と話す。例えば、デスクワークが多いか会議が多いかによっても見たい対象の距離は異なる。デスクワークが多ければ、PCとデスク回りの見え方が重要であり、会議が多ければ手元資料とホワイトボード、発言している人の顔が見える必要がある。使用環境に合わせたメガネの度数やレンズタイプにすることが理想だという。

 このような見たい対象の距離の違いによって、レンズのタイプは大きく4つに分けられる。

見え方体験シート(画像提供:イワキ)
見え方体験シート(画像提供:イワキ)
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 手元から遠くまでまんべんなく見える「遠近両用」タイプ(遠近両用レンズ)、室内全体が見える「室内用タイプ(中近レンズ)」、デスクワークやPC作業の時に快適に見える「パソコン用タイプ(近々レンズ)」、文字を読むときに快適な「手元用タイプ(近用専用レンズ)」の4つのように、使用環境に合わせて使い分けることが目の負担を少なくするというわけだ(上図参照)。

 とりあえず手元を見るときに困るという人は「近近レンズ」が便利そうに思えるが、人によっては最初にオールラウンドに使える遠近両用を作り、次にしっかりと手元がよく見えるデスクワーク用タイプを作る場合もある。以前主流だった老眼鏡用遠近両用レンズは度数の違うレンズ2枚を組み合わせた「二重焦点レンズ」ではっきりと境目があった。対して現在よく使われる「累進屈折力レンズ」は1枚で遠くから近くまで度数が連続的に変化するように設計されている。ただし累進屈折力レンズを使った遠近両用メガネは瞳の位置(アイポイント)で見え方が大きく変わるので、微妙な調整が必要だ。

 ちなみに、100均ショップや書店で検眼なしで買える老眼鏡がこの中のどれに当たるのかを聞いたところ、見え方の重要ポイントであるレンズの中心と瞳孔の位置を一般的な平均値で作っており、左右の度数も同じで作っているため、「近用専用」に近いという。

眼鏡レンズの中心点と瞳の位置(アイポイント)がずれると見え方が違ってしまうので、メガネの調整技術が重要になってくる。この調整が不良だと、見えにくく、使いづらいメガネになってしまう
眼鏡レンズの中心点と瞳の位置(アイポイント)がずれると見え方が違ってしまうので、メガネの調整技術が重要になってくる。この調整が不良だと、見えにくく、使いづらいメガネになってしまう
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