合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今回は、プロ並みのピザが焼ける専用調理道具を取り上げます。また、意外と知られていない本場イタリアのピザのマナーも紹介します。

写真左:デロンギ「ピザストーン」(1900円)、写真右:白峯陶器「ピッツェリア」(1万3500円)
写真左:デロンギ「ピザストーン」(1900円)、写真右:白峯陶器「ピッツェリア」(1万3500円)
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東京・合羽橋の調理道具専門店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏。飯田氏が持っている巨大なピザピール(ピザサーバー)は長さ130cm。ピザ職人の定番アイテムだ
東京・合羽橋の調理道具専門店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏。飯田氏が持っている巨大なピザピール(ピザサーバー)は長さ130cm。ピザ職人の定番アイテムだ
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 こんにちは、飯田結太です。ホームパーティーやBBQに欠かせない料理のひとつ「ピザ」。ピザはイタリア料理ですが、今や日本人にとってカレーやラーメンに次ぐくらいなじみのあるものではないでしょうか。ピザ職人という言葉が知られているように、プロとしても特別な技術が必要で、専用の調理道具も数多くあります。実は、ピザは私の得意料理のひとつ。ひと月に一度は必ず生地から作るほど大好きで、そのためだけにオーブンも購入したほどです。いろいろなピザの調理道具を使い比べ、最近やっと使いやすくておいしく仕上がる調理道具に出合いました。今回は、プロも、ピザ作りに挑戦したい人も満足できるピザの調理道具を紹介します。


プロの仕上がりになる石釜オーブン

 旅館やホテルなどの宿泊施設の厨房でよく使われているのが、この石釜オーブン「ピッツェリア」。ピザは、家庭用のオーブンやガスコンロなどの直火ではどうしてもおいしく仕上がりません。なぜかというと、温度が低いから。ピザを焼くときには300℃の温度が必要です。それを実現するには、やっぱりピザ専用の釜がないと難しいんです。でも小・中規模の宿泊施設では専用の釜を導入するのは大変。そこで人気があるのが「ピッツェリア」なんです。

 これは土鍋と同じ素材でできていて、上窯と受け皿、プレートの3つで構成されています。この構造は、業務用の石釜をもとに開発されたもので、家庭用のガスコンロやオーブンでは難しい300℃以上の高温まで上げ、強力な輻射熱と遠赤外線で短時間でピザを焼き上げます。

直径25cmほどのピザまでが焼ける、白峯陶器 石釜オーブン「ピッツェリア」(1万3500円)
直径25cmほどのピザまでが焼ける、白峯陶器 石釜オーブン「ピッツェリア」(1万3500円)
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 使い方は簡単。直火にこの釜をのせるだけ。まず、空の状態で強火で15~20分加熱しておきます。予熱が終わったらピザサーバーなどで上窯の窓からピザを中へ入れます。焼き上げの目安は約3~6分。これでサクサクのプロの仕上がりになるんです。

 これは、アウトドアでBBQをやるときには大活躍間違いなしなのですが、室内で焼きたい場合に注意したいのは、まずIHでは使えないこと。また、最新のセンサー付きのガスコンロの場合、センサーを解除できないと使えないんです。さらに、カセットコンロは厳禁。釜の高温によってボンベが爆発する可能性があります。

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